アーヤと魔女 サウンドトラック

アーヤと魔女 サウンドトラック

オススメ度 ★★★☆☆

発売:2021年1月6日 収録時間:38分 定価:2750円 レーベル:ヤマハミュージックコミュニケーションズ



宮崎吾朗監督が2021年に打ち出した3DCG映画「アーヤと魔女」。
実は「ハウル」作者による英国産ファンタジー小説が原作だったりする。
音楽は「コクリコ」以降監督と懇ろな武部聡志氏。
シンプルなロックンロールが作品の根幹にもなる一枚。


No曲名時間作・編曲作詞
1オープニング1:43武部聡志
2おばけのパーティー1:13
3生首と火星人1:29
4上手くやるのよ0:59
5あやつる2:30
6怪しい二人組1:23
7きったない部屋1:20
8魔女の仕事1:39
9夜の探検~閉じ込められた1:50
10一日中働きます1:21
11ひとりごと0:49
12Don’t disturb me ラジカセバージョン3:58宮崎吾朗Sherina Munaf
13深夜労働1:17
14シェパーズパイ0:45
15簡単にはあきらめない0:58
16ひそかな逆上1:41
17さわやかな朝の反撃1:14
18逆襲の逆襲0:52
19大変なときこそ閃いちゃう1:03
20Don’t disturb me3:43宮崎吾朗Sherina Munaf
21思い出はいつも美しい1:08
22あやつれました1:42
23あたしの世界征服3:54宮崎吾朗Sherina Munaf
 「コクリコ坂から」以来、ジブリ外での活動が主だった宮崎吾郎監督による新作ジブリ映画「アーヤと魔女」。
 企画は宮崎駿氏、原作小説としては「ハウルの動く城」のDiana Wynne Jones氏による遺作となる同名小説(原題「Earwig and the Witch」)が使用されている。
 「山賊のむすめローニャ」で3DCGアニメを制作した流れで、本作もフル3DCG映画での制作。
 また、2021年に劇場公開された作品であるが、2020年末にNHKで先行放送された。

 音楽担当は「コクリコ坂から」以来タッグを組み続けている武部聡志氏。   
 舞台が90年台イギリスであること、そして劇中の大人たちが過去にロックバンドを組んでいたことから、7~80年台のUKロックをイメージするBGMで統一されている。
 本作の物語としての特徴は、とにかく「いい子ではない子供の物語」であることだ。その「反逆」の隠喩としてひたすらにUKロックが流れていく。
 「Don’t disturb me(放っておいてくれ!)」の曲題がそれを象徴する。
 その主題歌「Don’t disturb me」の演奏メンバーもウリの一つで、ボーカルにはインドネシアの大人気女優兼シンガーのSherina Munaf氏、ギターにはGLIM SPANKYの亀本寛貴氏、ベースはMrs. GREEN APPLEの髙野清宗氏、ドラムをシシド・カフカ氏、そしてキーボードを武部聡志氏が担当する豪華なメンバーを紹介するぜ!な一曲になっている。

 理屈としてはしっかりかみ合っているように感じられるが、気になる点もある。
 UKロックによってアッパーとスリルの曲調で多く構成されているだけに、心情を演出する音楽に乏しく、劇判としてはかなり表層的な部分をなぞるところで済んでしまっているのだ。
 「夜の探検~閉じ込められた」は特に気になる1曲で、2~3曲のスリルシーン用の同モチーフ曲がブツ切りに繋げられているのだが、本当に脈絡なく突然曲が途切れ、シーンを表層的になぞる形で劇判が作られてしまった象徴のように感じられるのである。
 また、80分のアニメ映画でBGMは40分以下……もちょっぴり寂しい。

 ただし、この「アーヤと魔女」という物語に対してUKロックをぶつけたことは宮崎吾郎監督の「間違ってなさ」や嗅覚に起因する良案に間違いない。
 筆者は原作は未読であるが、調べてみると原作小説はアニメ映画版よりもかなりぼんやりとした情報で済んでしまっているらしく、特に魔女たちがバンドを組んでいたことは完全にオリジナル要素だったことがわかる。
 本映画の大きな魅力は「魔女・魔法使い」と「バンド演奏」のギャップであり、UKロックというモチーフとしっかりかみ合ったアイデアは称賛したいところ。
 そういうUKロック風なところを視聴時に気に入られた人にはお勧めできるサントラ。

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