∀ガンダム オリジナルサウンドトラック
∀ガンダム オリジナルサウンドトラック
オススメ度 ★★★★★
発売:1999年7月23日 収録時間:72分 定価:3059円 レーベル:キングレコード
「ガンダム」に一度ケリをつけた、富野由悠季監督の大傑作「∀ガンダム」。
牧歌的な雰囲気作りとかぐや姫を下地にしたSF像が魅力の異端なガンダムである。
音楽担当は「ブレンパワード」から引き続き富野監督とタッグを組む菅野よう子氏。
ワルシャワ・フィルを起用した豪快なオーケストレーションが光る。
No | 曲名 | 時間 | 作曲 | 編曲 | 作詞 | 歌 |
1 | Spiral re-born | 1:02 | 菅野よう子 | |||
2 | 地の淵の原理 | 5:18 | ||||
3 | 軍靴の記憶 | 4:58 | ||||
4 | 地よりはずめと | 2:37 | ||||
5 | The first advent~神のあざけり | 2:10 | ||||
6 | Second advent~神の爪先が触れた岸 | 2:08 | ||||
7 | The third advent~地にひそむもの | 2:40 | ||||
8 | Final shore~おお、再臨ありやと | 5:17 | ||||
9 | Moon | 5:15 | Gabriela Robin | |||
10 | 宵越しの祭り | 2:16 | 井荻麟 | ホワイトドールの祭りの会一同 | ||
11 | おしゃべりソシエ | 1:36 | ||||
12 | Days | 4:19 | ||||
13 | お嬢さん、内緒話です | 1:21 | 小林亜星 | 菅野よう子 | 井荻麟 | 西城秀樹 |
14 | グエン・ラインフォードのリムジン | 2:34 | 菅野よう子 | |||
15 | Girls rule | 2:08 | ||||
16 | Quiet landing | 4:29 | ||||
17 | Air plant | 1:17 | ||||
18 | 光軸のなぞるもの | 2:34 | ||||
19 | おんどりのように | 1:57 | ||||
20 | 旧約の語るところ | 1:37 | ||||
21 | The song of a stone | 3:15 | ||||
22 | Boys about 16 | 5:37 | 岩里祐穂 | 岩坂士京 | ||
23 | 5/4 moon | 2:29 | ||||
24 | Felicity | 3:30 |
「機動戦士ガンダム」から始まり、そこから20年の歴史を重ねた90年台末。
「G」「W」「X」の後、「Vガンダム」から3作分ぶりに富野由悠季監督が生み出したガンダムが「∀ガンダム」である。
「全てのガンダムを包括する」ことが念頭にありつつ、名作劇場めいた牧歌的な空間描写と、「開戦から終戦まで」描かれる戦争描写など、ガンダムとしては非常に異質な要素が多い作品でもある。
ガンダムシリーズは本作を持って完結、と豪語するファンも多く、放送当時こそメカデザインやその異質さから敬遠・批判されていた作品でもあるが、後年になればなるほど名作と語り継がれている。
劇判は富野由悠季監督の前作「ブレンパワード」でもタッグを組んでいた菅野よう子氏によるもの。
ブレンパワードでも起用していたワルシャワ・フィルハーモニックオーケストラの演奏となる。
本アルバムはとにかく傑作メロディが目白押しの、大盤振る舞いマシマシなサントラで、次回予告が印象的な∀ガンダム随一の傑作オケ「軍靴の記憶」や、コーラスとバグパイプが壮大なSF感を演出する「地の淵の原理」からいきなり始まる。
爽やかな世界観を想像させるオケ「地よりはずめと」「おんどりのように」、戦闘音楽として頻繁に使用される「The first advent~神のあざけり」など、劇中でも聞き覚えがある、かつ超高品質なオーケストラがとにかく続く廃カロリーさである。
個人的に気に入っているのは派手なオケを支える穏やかな曲群で、第一話のノックスシティの人々の暮らしを愛おしむように演出するアコースティックな「Days」、「墓参り」にてキエルに扮したディアナが駆け出す感情の高まりを表現した「The third advent~地にひそむもの」、「ディアナ奮戦」で汚物を川に流すディアナを悲劇的でなく美しいものとして捉えた「The song of a stone」の三曲。
是非本編での使われ方と合わせて聞いていただきたい。
ボーカル曲群も素晴らしい。
後期ED「月の繭」の挿入歌ver「Moon」、成人式の宴で歌われる「宵越しの祭り」、ロランとディアナの心が接近したことをドストレートに演出した西城秀樹氏の名バラード「お嬢さん、内緒話です」(フルVerは「月下美人」)など、聞き飛ばせないトラックばかりである。
とにかく一貫されているのは「地球の人々の営みを描く爽やか・穏やかな曲」と「暮らしを破壊する戦争を描く曲」、そして「それぞれの戦争を駆け抜ける人々の輝き描く曲」のグラデーションだ。
前半クールの地上での戦争の雰囲気を非常に効果的に音楽でまとめきっており、「∀ガンダムらしさ」がギュッと詰まった一枚である。
OPEDを入れずにこの高品質さが全トラックで保たれているのは流石菅野氏、の一言。
ガンダム史上どころかアニメ史上でも上位に入れてよい名盤と言っていいだろう。
筆者のようなサントラに注視する人間でなくとも音楽の良さを本編視聴だけで伝えきってしまう恐ろしい音楽である。
「G」「W」「X」の後、「Vガンダム」から3作分ぶりに富野由悠季監督が生み出したガンダムが「∀ガンダム」である。
「全てのガンダムを包括する」ことが念頭にありつつ、名作劇場めいた牧歌的な空間描写と、「開戦から終戦まで」描かれる戦争描写など、ガンダムとしては非常に異質な要素が多い作品でもある。
ガンダムシリーズは本作を持って完結、と豪語するファンも多く、放送当時こそメカデザインやその異質さから敬遠・批判されていた作品でもあるが、後年になればなるほど名作と語り継がれている。
劇判は富野由悠季監督の前作「ブレンパワード」でもタッグを組んでいた菅野よう子氏によるもの。
ブレンパワードでも起用していたワルシャワ・フィルハーモニックオーケストラの演奏となる。
本アルバムはとにかく傑作メロディが目白押しの、大盤振る舞いマシマシなサントラで、次回予告が印象的な∀ガンダム随一の傑作オケ「軍靴の記憶」や、コーラスとバグパイプが壮大なSF感を演出する「地の淵の原理」からいきなり始まる。
爽やかな世界観を想像させるオケ「地よりはずめと」「おんどりのように」、戦闘音楽として頻繁に使用される「The first advent~神のあざけり」など、劇中でも聞き覚えがある、かつ超高品質なオーケストラがとにかく続く廃カロリーさである。
個人的に気に入っているのは派手なオケを支える穏やかな曲群で、第一話のノックスシティの人々の暮らしを愛おしむように演出するアコースティックな「Days」、「墓参り」にてキエルに扮したディアナが駆け出す感情の高まりを表現した「The third advent~地にひそむもの」、「ディアナ奮戦」で汚物を川に流すディアナを悲劇的でなく美しいものとして捉えた「The song of a stone」の三曲。
是非本編での使われ方と合わせて聞いていただきたい。
ボーカル曲群も素晴らしい。
後期ED「月の繭」の挿入歌ver「Moon」、成人式の宴で歌われる「宵越しの祭り」、ロランとディアナの心が接近したことをドストレートに演出した西城秀樹氏の名バラード「お嬢さん、内緒話です」(フルVerは「月下美人」)など、聞き飛ばせないトラックばかりである。
とにかく一貫されているのは「地球の人々の営みを描く爽やか・穏やかな曲」と「暮らしを破壊する戦争を描く曲」、そして「それぞれの戦争を駆け抜ける人々の輝き描く曲」のグラデーションだ。
前半クールの地上での戦争の雰囲気を非常に効果的に音楽でまとめきっており、「∀ガンダムらしさ」がギュッと詰まった一枚である。
OPEDを入れずにこの高品質さが全トラックで保たれているのは流石菅野氏、の一言。
ガンダム史上どころかアニメ史上でも上位に入れてよい名盤と言っていいだろう。
筆者のようなサントラに注視する人間でなくとも音楽の良さを本編視聴だけで伝えきってしまう恐ろしい音楽である。