TARI TARI ミュージックアルバム~歌ったり、奏でたり~

TARI TARI ミュージックアルバム~歌ったり、奏でたり~

オススメ度 ★★★★☆

発売:2012年9月26日 収録時間:112分 定価:3300円 レーベル:ランティス



P.A.WORKSが贈る合唱青春部活アニメ「TARI TARI」。
「音楽」が基盤になった作品であるならば、その音楽が良質じゃないわけがない、ということで。
劇伴の担当は浜口史郎氏。「花咲くいろは」から続いての製作となる。
勿論2枚目は合唱づくし。フルじゃない放送時の音源などが収録。


 P.A.WORKS製作、レイトン映画の橋本昌和監督で贈るアニメ「TARI TARI」。
 「花咲くいろは」から続き、少しギスギス気味ながらそれを乗り越えるタイプの青春もの。
 「合唱」をモチーフとし、合唱音楽に重点を起きながら進んでいく。

 インスト劇伴の担当は「花咲くいろは」と同じく浜口史郎氏。
 勿論、青春日常アニメに浜口氏ときたら、室内アコースティック編成である。
 全体的に一分半から二分でまとめていて、一時間ほど続く構成。
 ディスク1、2の関係構成は「ガールズ&パンツァー」とも似ている。

 そのインストであるが、決して悪い完成度という訳でもないが、思うところがある。
 「花咲くいろは」でのアコースティックにはピアノへの意識が感じられ、聴き応えあるメリハリがついていた。
 しかし今回はアベレージこそ聴きやすく仕上がってるものの、「覚えていられる突出した曲」があまりない印象。
 合唱との兼ね合い、合唱曲が演出能力を与えられている以上、これは仕方ない措置かもしれないが……

 ディスク2の合唱曲は、フルではなく本編使用版などが収録されているトラックが半分近く。
 「リフレクティア(合唱版)」「心の旋律」「心の旋律(合唱版)」「radiant melody」の4曲が3分サイズ歌入りで収録されている。
 とはいえ「Dreamer(TVサイズ)」「goin’ my way!!」「潮風のハーモニー」を除けば他の曲にフルサイズは存在しない。

 ディスク2に関しては文句なし、むしろこんなに大量に浜口氏のボーカル作曲を拝めるのは非常に珍しく、たまらない。
 「goin’ my way!!(#1 Ver.)」などは本編通りの失敗をする部分でぶつ切りになるが、そういう演出はいつでも歓迎である。
 「Amigo! Amigo!」は見覚えがあると思ったら、JAM Projectのヒカルド氏だ!と度肝を抜かれた。
 歌詞はJAM Project非常勤メンバー・ヒカルド氏にてきとーに任せた造語。でもそれっぽく仕上がってるのが面白い。
 アニメ音楽では中々聞けない合唱曲というものをここまでたっぷり聴けるだけでも大きな価値がある。

 インスト曲に不満はあれど、それに対し合唱部分へ割かれた意識が強い印象。
 本編演出をそのまま収録するなど、気の利いた構成もオツ。
 しかし、ともすれば本編視聴者だけしか楽しめない要素なので、これは「サントラ」としての善し悪しを感じる所。
 実際、未視聴の人間に勧められるかというと少し気後れする。

 ジャケットデザインは行徳ゆみ+仲井真由美。ブックレットでは合唱曲の解説が曲単位で掲載。
 余談だが、幕張総合高校合唱団は2012年にNHK全国学校音楽コンクールで金賞だったとのこと。名門とはいえ、随分タイムリーである。

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