「有頂天家族」 オリジナルサウンドトラック
「有頂天家族」 オリジナルサウンドトラック
オススメ度 ★★★★★
発売:2013年10月9日 収録時間:116分 定価:3300円 レーベル:ランティス
森見登美彦氏原作の小説をアニメ化した「有頂天家族」。
音楽はこの時期新進気鋭の作曲家・藤澤慶昌氏。「ラブライブ!」に続いて2作目。
ドタバタコメディを予感させる電子音楽が中心となる。
バラエティを富ませた後の管弦がじんわり泣けるエンタテインメント。
森見登美彦氏の小説、毛玉3部作の最初の一作「有頂天家族」をアニメ化。
監督はテレビシリーズ初監督だったり、キャラ原案に「絶望先生」久米田康治氏など、P.A.WORKSがかなり挑戦的な布陣で挑んだ一作である。
音楽担当は新進気鋭の作家・藤澤慶昌氏。「ラブライブ!」から始まって単独劇判担当は2作目。
「ラブライブ!」では青春用爽快管弦・バンドを披露してくれた氏だが、今回は人外たちのコメディ作品とあって、また別の表情を見せてくれる。
テクノによる最近多くないスラップスティックなドタバタ音楽、そんな電子音楽にブラスを乗せたフュージョンめいたものもありつつ、後半のシリアスも打ち込みでストレートに演出する。
そして乱痴気騒ぎのような音楽をキュッと締め付けているのが管弦の曲。
作中における重要なシーンや、「泣かせ」のシーンはいつだって管弦で、藤澤氏の管弦は我々のエモーション操作を意図的に行える性質・クオリティなのである。
氏は「作曲にあたって全体的に意識したのは『無機的時間の中の有機的要素』と『無償の愛』であります」、と語っており、その「無機」と「有機」のバランスが絶妙に感じられる。
そして作中で恐らく一番我々の耳に残され、上記のテクノと管弦両方の魅力を兼ね備え、ほぼメインテーマと言っても過言ではなかったのが「ほどほどの栄光あれ」。
どこか「トトロ」の「風の通り道」を思わせるその哀愁あるピアノ、テクノ、弦は同じ森見作品のアニメ劇判である「四畳半神話大系」のそれにも負けない名曲である。
何よりアルバムの中で「一つの大きなサヨナラ」から繋げるのが反則的な泣かせ演出。
欲を言うならば、楽曲順番構成にモノ申したくなる。
テクノと管弦の曲バランスは良いのだが、ピアノ管弦は基本的にCDの序盤か終わりなので、もう少し管弦を散りばめるように入れておけばテクノが続いたときの飽きに対処できたような気がする。
せっかくのバランスでの勝負どころが弱くなっているのが少し勿体ない。
今後注目すべき作家の一人である藤澤氏の意欲作、聞いておかない手はない。
「ラブライブ!」とは違う顔を見せてくれているのも面白くうれしいので、以降の活躍にもどんどん期待していきたい。
ブックレットには原作者の森見氏と藤澤氏のコメントが掲載。ジャケットイラストは川面恒介氏。デザインは草野剛氏。
監督はテレビシリーズ初監督だったり、キャラ原案に「絶望先生」久米田康治氏など、P.A.WORKSがかなり挑戦的な布陣で挑んだ一作である。
音楽担当は新進気鋭の作家・藤澤慶昌氏。「ラブライブ!」から始まって単独劇判担当は2作目。
「ラブライブ!」では青春用爽快管弦・バンドを披露してくれた氏だが、今回は人外たちのコメディ作品とあって、また別の表情を見せてくれる。
テクノによる最近多くないスラップスティックなドタバタ音楽、そんな電子音楽にブラスを乗せたフュージョンめいたものもありつつ、後半のシリアスも打ち込みでストレートに演出する。
そして乱痴気騒ぎのような音楽をキュッと締め付けているのが管弦の曲。
作中における重要なシーンや、「泣かせ」のシーンはいつだって管弦で、藤澤氏の管弦は我々のエモーション操作を意図的に行える性質・クオリティなのである。
氏は「作曲にあたって全体的に意識したのは『無機的時間の中の有機的要素』と『無償の愛』であります」、と語っており、その「無機」と「有機」のバランスが絶妙に感じられる。
そして作中で恐らく一番我々の耳に残され、上記のテクノと管弦両方の魅力を兼ね備え、ほぼメインテーマと言っても過言ではなかったのが「ほどほどの栄光あれ」。
どこか「トトロ」の「風の通り道」を思わせるその哀愁あるピアノ、テクノ、弦は同じ森見作品のアニメ劇判である「四畳半神話大系」のそれにも負けない名曲である。
何よりアルバムの中で「一つの大きなサヨナラ」から繋げるのが反則的な泣かせ演出。
欲を言うならば、楽曲順番構成にモノ申したくなる。
テクノと管弦の曲バランスは良いのだが、ピアノ管弦は基本的にCDの序盤か終わりなので、もう少し管弦を散りばめるように入れておけばテクノが続いたときの飽きに対処できたような気がする。
せっかくのバランスでの勝負どころが弱くなっているのが少し勿体ない。
今後注目すべき作家の一人である藤澤氏の意欲作、聞いておかない手はない。
「ラブライブ!」とは違う顔を見せてくれているのも面白くうれしいので、以降の活躍にもどんどん期待していきたい。
ブックレットには原作者の森見氏と藤澤氏のコメントが掲載。ジャケットイラストは川面恒介氏。デザインは草野剛氏。

