COWBOY BEBOP
COWBOY BEBOP
オススメ度 ★★★★★
発売:1998年5月21日(2012年12月21日再販) 収録時間:53分 定価:2625円 レーベル:ビクターエンタテインメント
「ビッグバンドジャズをアニメで真面目に作っても受けるはずがない」というイメージを払拭。
この「COWBOY BEBOP」の音楽は今なおテレビ番組のBGMとして使われ続けている程のものだ。
国内プレイヤーの精鋭部隊「シートベルツ」を結成した菅野よう子氏の名前もここから一気に知れ渡る。
第13階日本ゴールドディスク大賞アニメーションアルバム部門グランプリの受賞作品。
No. | 曲名 | 時間 | 作・編曲 | 作詞 | 歌 |
1 | Tank! | 3:30 | 菅野よう子 | ||
2 | RUSH | 3:35 | |||
3 | SPOKEY DOKEY | 4:06 | |||
4 | BAD DOG NO BISCUITS | 4:11 | |||
5 | CAT BLUES | 2:37 | |||
6 | COSMOS | 1:37 | |||
7 | SPECE LION | 7:12 | |||
8 | WALTZ for ZIZI | 3:31 | |||
9 | PIANO BLACK | 2:49 | |||
10 | POT CITY | 2:15 | |||
11 | TOO GOOD TOO BAD | 2:36 | |||
12 | CAR24 | 2:51 | |||
13 | The EGG and I | 2:44 | |||
14 | FELT TIP PEN | 2:40 | |||
15 | RAIN | 3:24 | TIM JENSEN | Steve Conte | |
16 | DIGGING MY POTATO | 2:22 | |||
17 | MEMORY | 1:30 |
最早説明の必要もあるのかどうか。菅野よう子の名を知らしめた名作「カウボーイビバップ」のサウンドトラック。
「架空のバンド」という扱いである演奏のシートベルツも、今堀恒雄や本田雅人、村田陽一、佐野康夫などの国内指折りのプレイヤーばかり。
渡辺信一郎監督の音楽へのこだわりもあってビッグバンドジャズを徹底しており、日本を代表するアニメサウンドトラックと言っても過言ではない。
ジャズレーベル・ブルーノートをオマージュしたジャケットから繰り出されるジャズは、存外にジャズ史を汲み取ったものではない。
デジタルロックでリズムを取るし、エスニックもヒップホップもふんだんに取り込んでいく。
勿論、往年の名曲を意識した曲も存在する(「WALTZ for ZIZI」など最たるものであろう)が、基本的には「ごちゃまぜのエンターテインメントである」ことが根底に存在する。
これは「カウボーイビバップ」という作品そのものに言えることである。
「ジャズは好きではない」と公言してしまう菅野氏だからこその距離感とも言える。
もしくは「我々の世界とはある地点からズレて進化した」「現代音楽が過去のジャズに影響を与えていたら」というシミュレーションを行ったフェイク・ジャズという見方も可能である。
このアルバムの格調をより担保してしまうのが、プレイヤー以上に裏方のスタッフのネームバリューである。
なんとエンジニアとして、Rudy Van Gelder氏が参加しているのである。
当時のジャズ・ファン兼アニメ・ファンがどのような顔をしてこれを知ったのかを見てみたい。
Rudy Van Gelder氏はブルーノートの黄金期を支えたレジェンドエンジニアである。
Miles DavisやJohn Coltraneの傍にも彼のエンジニアリングが傍にあった。
本作の「PIANO BLACK」のピアノなどはまさに「黄金のブルーノートサウンド」の再現が試みられた音質となっており、彼の存在感がありありと示されている。
ちなみに、ジャズが得意ではない菅野よう子氏が音作りを誰に頼ればいいか分からず周囲に聞いたところ彼の名前が挙がり、携わった作品を聴き衝撃を受け、そのまま本人に直接オファーをかけた……という経緯らしい。
「後から、こんなすごい人に電話するヤツなんていないって言われたんですけどね(笑)」とは菅野氏の言。
ジャズが嫌いにも拘わらず菅野氏はオーダーしていない曲を次々と生み出し、渡辺監督は絶対に全部使ってやると対抗する、ジャズセッションのような現場だったという。
今なおひっきりなしにTV番組で使われる、誰もが聞き覚えのあるOP「Tank!」。
第一話のアクション音楽を飾り、作品の勢いを視聴者に一瞬で知らしめた「RUSH」。
1クール目を穏やかに締めた、エスニック・ジャズな長尺の名曲「SPACE LION」。
作品前半で印象的なインストゥルメンタルナンバーが揃った、「ビバップ」サントラの栄えある一枚目。
「カウボーイビバップの音楽っていいよね」と少しでも思った人間ならば、この一枚だけでも手元に置いて損はないであろう。
ジャケットイラストはキャラクターデザインの川元利浩氏による点描。デザイン担当はmach55GO。
「架空のバンド」という扱いである演奏のシートベルツも、今堀恒雄や本田雅人、村田陽一、佐野康夫などの国内指折りのプレイヤーばかり。
渡辺信一郎監督の音楽へのこだわりもあってビッグバンドジャズを徹底しており、日本を代表するアニメサウンドトラックと言っても過言ではない。
ジャズレーベル・ブルーノートをオマージュしたジャケットから繰り出されるジャズは、存外にジャズ史を汲み取ったものではない。
デジタルロックでリズムを取るし、エスニックもヒップホップもふんだんに取り込んでいく。
勿論、往年の名曲を意識した曲も存在する(「WALTZ for ZIZI」など最たるものであろう)が、基本的には「ごちゃまぜのエンターテインメントである」ことが根底に存在する。
これは「カウボーイビバップ」という作品そのものに言えることである。
「ジャズは好きではない」と公言してしまう菅野氏だからこその距離感とも言える。
もしくは「我々の世界とはある地点からズレて進化した」「現代音楽が過去のジャズに影響を与えていたら」というシミュレーションを行ったフェイク・ジャズという見方も可能である。
このアルバムの格調をより担保してしまうのが、プレイヤー以上に裏方のスタッフのネームバリューである。
なんとエンジニアとして、Rudy Van Gelder氏が参加しているのである。
当時のジャズ・ファン兼アニメ・ファンがどのような顔をしてこれを知ったのかを見てみたい。
Rudy Van Gelder氏はブルーノートの黄金期を支えたレジェンドエンジニアである。
Miles DavisやJohn Coltraneの傍にも彼のエンジニアリングが傍にあった。
本作の「PIANO BLACK」のピアノなどはまさに「黄金のブルーノートサウンド」の再現が試みられた音質となっており、彼の存在感がありありと示されている。
ちなみに、ジャズが得意ではない菅野よう子氏が音作りを誰に頼ればいいか分からず周囲に聞いたところ彼の名前が挙がり、携わった作品を聴き衝撃を受け、そのまま本人に直接オファーをかけた……という経緯らしい。
「後から、こんなすごい人に電話するヤツなんていないって言われたんですけどね(笑)」とは菅野氏の言。
ジャズが嫌いにも拘わらず菅野氏はオーダーしていない曲を次々と生み出し、渡辺監督は絶対に全部使ってやると対抗する、ジャズセッションのような現場だったという。
今なおひっきりなしにTV番組で使われる、誰もが聞き覚えのあるOP「Tank!」。
第一話のアクション音楽を飾り、作品の勢いを視聴者に一瞬で知らしめた「RUSH」。
1クール目を穏やかに締めた、エスニック・ジャズな長尺の名曲「SPACE LION」。
作品前半で印象的なインストゥルメンタルナンバーが揃った、「ビバップ」サントラの栄えある一枚目。
「カウボーイビバップの音楽っていいよね」と少しでも思った人間ならば、この一枚だけでも手元に置いて損はないであろう。
ジャケットイラストはキャラクターデザインの川元利浩氏による点描。デザイン担当はmach55GO。