RETURN TO ZERO Fate/Zero Original Image Soundtrack

RETURN TO ZERO Fate/Zero Original Image Soundtrack

オススメ度 ★★★★★

発売:2007年12月31日 収録時間:52分 定価:2625円 レーベル:インディーズ



「Fate/stay night」の前日談を、ニトロプラスの虚淵玄氏が書いてしまった!
アニメ化より遥か4年前、コミケにて発売されたのがこのイメージアルバム。
ZIZZによるえげつないサウンドは最早ニトロプラスのゲームのサウンドトラックでしかない。
そして、名盤である。「Fate/zero」を愛する全ての人に聞いてもらいたい一枚。


N0.曲名時間作曲編曲作詞
1Introduction0:23磯江俊道
2Starlit Faith4:42磯江俊道豊田リョウジ渡邊カズヒロワタナベカズヒロ
3Summon2:55筒井香織
4The ‘KARIYA’S’Theme3:32神保伸太郎
5The Battle Field4:14大山曜
6The Gilgamesh4:13筒井香織
7Caster’s Battle3:21神保伸太郎
8Kings Sessions2:44立花泰彦
9The Lancer5:20大山曜
10約束された勝利の剣 ZIZZ ver.3:02KATE磯江俊道
11The Dogfight2:58神保伸太郎
12この世全ての悪 ZIZZ ver.3:08KATE磯江俊道
13A Dreams3:06筒井香織
14The Berserker4:08大山曜
15Beginning Oath4:06いとうかなこ磯江俊道渡邊カズヒロいとうかなこ
 奈須きのこ氏と虚淵玄氏の対談での「書いてみない?」の一言から始まった「Fate/zero」。
 アニメ化よりも、ドラマCD化よりも以前に、一枚のイメージアルバムが発売されていた。
 音楽を製作したのはZIZZ STUDIO。結果、生まれたCDは殆どニトロのゲームのサントラも同然であった。

 全体的に打ち込みとバンド演奏を混ぜ込んだいつものZIZZサウンドなのだが、ZIZZなので一筋縄にはいかない。
 ワタナベカズヒロの熱唱する「Starlit Faith」、これがまず素晴らしい名曲だ。
 恐らくzero時点の切嗣を歌ったであろう歌詞と、磯江氏による洋楽さながらのロック。
 そしてワタナベ氏の熱いボーカルがこのアルバムのOPを飾る。ぜひ聴いて欲しい。

 「The ‘KARIYA’S’Theme」は文字通りどうしようもない薄幸の男、雁夜おじさんのテーマ。
 カリキュラマシーンの神保伸太郎氏のギターが邪悪に唸る唸る。こんな偏屈な曲は他じゃ中々聞けません。
 神保氏のギターは「Caster’s Battle」「The Dogfight」でも唸りっぱなし。今作の見どころの一つと言える。

 「The Battle Field」なんかは分かり易くゲーム風の曲だったりもする。三拍子だけど。
 「聖杯問答」のテーマ、「Kings Sessions」は、デモンベインでも活躍した立花氏によるジャジーな手腕が光る。
 それでもどこかプログレめいた部分があり、イメージアルバムであることを全力で生かしにきている。
 プログレといえば「The Lancer」もそう。悲劇の男・ディルムッドを象徴するようなピアノと、段々激しくなっていくビート、それらが大山曜氏の怒涛の五拍子で進行する。

 「約束された勝利の剣」を今作でアレンジするのはZIZZの頭である磯江俊道氏。
 ZIZZで頻繁に発揮される擬似オーケストラ的な音作りに乗せて、ギュインギュインとギターがかき鳴らされる。
 その様はまさしく「ZIZZ Ver.」である。アレンジの「濃さ」で言うなら今作が最たるものだろう。
 「この世すべての悪」も磯江氏のアレンジになる。普段より3割増でギターがえげつないZIZZを楽しもう。

 「The Berserker」で発揮されるプログレッシャー・大山曜のギターも見もの。
 ゆったりとしていて伸びやかなギターが表題のキャラクターであることを思うと感慨深い。
 そしてイメージED「Beginning Oath」。歌詞を読みつつ誰のイメージなのかをじんわり考えよう。
 いとうかなこ嬢の声にはバラードが似合うのを再認する一曲。

 ループもカットもないという縛りのなさに弾けたZIZZメンバーのやりたい放題アルバムである。
 その分、「ちょっと違うかも」と思う人もいるかもしれないが、間違いなくモノは一級品。
 「Fate/zero」を好きな人も、ZIZZが好きな人も、そうでない人も聞こう。

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