らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~ オリジナル・サウンドトラック

らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~ オリジナル・サウンドトラック

オススメ度 ★★★★★

発売:2004年10月8日 収録時間:70分 定価:2000円 レーベル:dandelion



TerraLunarから2004年に発売したアダルトゲーム「らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~」。
特定の世代の特定のオタクならばよ~く知っているであろう。
音響制作会社ロックンバナナ所属のBen氏のギターをひたすら聞ける一枚。
エロゲのBGM、という括りにおかずとも最高に聞き心地の良いロックサウンドを堪能しよう。


No.曲名時間作曲編曲作詞
1the case of us no voice /
僕らの場合 (インストルメント)
3:14Ben
2six strings hero / 最後のギターヒーロー1:59
3star boy, ether girl /
スターボーイ・エーテルガール
4:00
4the outsiders / あいかわらずな僕ら3:12
5everydays like a dog / ノライヌみたいに3:16
6good morning Mr.Phelps / 夜が明けたら2:37
7all without me / なんにもなくても3:32
8all-too-common lovers on this planet /
地上でたったひとつの恋
3:04
9(wanna be a) sunny side cat /
ひなたのネコ
2:29
10beers, bread and oranges /
ピクニックには欠かせない
3:29
11ride on my bicycle, ride out Hicksville town /
ライドオン・アウト
3:20
12star boy, ether girl again /
その後のスターボーイ・エーテルガール
3:50
13the case of us plugout / 僕らの場合 (アンプラグド)2:40
14overload overdrive / 神様なんかに用はない2:08
15Wilhelmus / ウィルヘルム1:54
16are you ready to fall, Cherlie Brown? /
あかるい未来
2:15
17under the another moonlight
(Aus Streichquartett in d D810
“Der Tod und das Madchen” Andante con moto) /
今宵、月の下で
(弦楽四重奏曲 ニ短調 D810
” 死と乙女 ” 第 2 楽章より)
4:46Franz Peter SchubertBen
18the case of us / 僕らの場合 (フルサイズ)5:31Ben連悠太YUUHIGAOKA
19ふたりぼっちの夜2:36
20不安の輪郭3:03
21いつか行ったあの場所へ3:08
22star boy, ether girl with twins /
スターボーイ・エーテルガール (ボーカルエディット)
3:58連悠太金田まひる、草柳順子
 ボードゲーム制作会社アークライトの抱えていたアダルトゲームブランド・TerraLunarから発売された知る人ぞ知る一作。
 ゼロ年代のサブカルに生きたおじさんならば懐かしいであろう「らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~」である。
 物語としては、「大学受験を目の前に、零細限界エロゲ制作会社の限界キャラデザCGバイトを始めた結果、楽しくも堕落していく日常」という感じのもの。
 小気味よいテンポの会話劇や演出、当時時点でも若干レトロめだが愛嬌あるキャラデザが乗った、「エロゲを作るエロゲ」というメタメタな作品が、一部の「エロゲオタク」には熱狂的な支持があった。

 そのテンポの良さの一役を買っているのがこのサントラである。   
 音響制作会社ロックンバナナのBen氏による、ギターサウンド・ロックンロールがこの堕落したハチャメチャな日常を彩ってくれる。
 とにかく素晴らしいのは、「この曲が流れている作品は、楽しい」と感じさせてくれる元気さ。
 そして「パンクとまでは言わないが、人間として堕ちていく退廃さ」を表現してくれる粘性のあるギターである。
 「everydays like a dog / ノライヌみたいに」「(wanna be a) sunny side cat /ひなたのネコ」は特に最高の一言。
 「数日風呂も入らず徹夜明けの朝を練馬の仕事場で迎えているヒロイン」のバックに流れるギターサウンドを想像してみてほしい。
 その最適解がこのアルバムにある。あってどうすればいいんだ。
 「発売数か月前にもかかわらず進捗実質ゼロのエロゲ制作現場」のバックに流れるギターサウンドも想像してほしい。
 その最適解もこのアルバムにある。あってどうすればいいんだ。

 ED主題歌「the case of us / 僕らの場合 (フルサイズ)」は劇中BGMに英語歌詞をつけたものだが、そのせいでエロゲ感の全くないアツい洋ロックが生まれてしまっている。
 そもそもこの時期は「エロゲらしくないサウンド」なんてのはザラなタイミングではあるが、変に堅苦しい意気込みで出来上がったよいうより、自然な形で生まれている感覚が嬉しい。
 「star boy, ether girl with twins /スターボーイ・エーテルガール (ボーカルエディット)」は劇中BGMに歌詞をつけたイメージソング。
 歌唱は劇中の「非」攻略ヒロインである妹の双子役・金田まひる氏と草柳順子氏。
 調子っぱずれな歌唱とあけすけなロックは実にゼロ年代の元気なアダルトゲームらしさを感じて、今聞くとニコッとしてまう。しない?
 ちなみにNo.19~21の3曲は劇中エロゲ用のBGMである。雰囲気が全然違ってエロゲっぽいのはそのため。

 大変な名盤。ふとした瞬間にアルバムごと再生しても本当に気分が良い。
 本編は2024年現在未だ5桁のプレミアだが、サントラは少し落ち着いていて5000円以下だ。
 5000円のお布施をしてみてもいいと思うなら、ぜひ購入して聞いてみてほしい。
 ゼロ年代エロゲBGMもまた深い沼がそこにあるのである。

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