HARMAGEDON 幻魔大戦 オリジナル・サウンドトラック
HARMAGEDON 幻魔大戦 オリジナル・サウンドトラック
オススメ度 ★★★★☆
発売:1998年5月25日(原盤:1983年) 収録時間:38分 定価:2800円 レーベル: WEA JAPAN
原作・石森正太郎氏、平井和正氏。製作角川。
りんたろう監督、キャラクターデザインに大友克洋氏。
正に磐石と言わんばかりの布陣で挑まれたのが本作「幻魔大戦」。
そしてその音楽を担当するのも予想外の人物であった。
N0. | 曲名 | 時間 | 作曲 | 編曲 | 作詞 | 歌 |
1 | ハルマゲドン序曲 | 3:09 | 青木望 | |||
2 | 啓示(フロイのテーマ)/THEME OF FLOI | 3:37 | Keith Emerson | |||
3 | 失われた惑星(トッカータとフーガニ短調より) | 3:34 | Johann Sebastian Bach | 青木望 | ||
4 | サイオニクス・プリンセス | 2:16 | 青木望 | |||
5 | フライング、フライング/JOE AND MICHIKO | 2:45 | Keith Emerson | |||
6 | 蘇る使命 | 4:01 | 青木望 | |||
7 | 光の天使/CHILDREN OF THE LIGHT | 4:00 | Keith Emerson | Tony Allen |
Rosemary Butler
| |
8 | 幻魔咆哮 | 1:50 | 青木望 | |||
9 | ソニー・ザ・キッド/SONNY’S SKATE SKATE | 4:17 | Keith Emerson | |||
10 | 遙かなる時 | 2:10 | 青木望 | |||
11 | 幻魔の攻撃/ZAMEDY STOMP | 3:01 | Keith Emerson | |||
12 | 地球を護る者/CHALLENGE OF THE PSIONICS FIGHTERS | 4:11 |
1983年、平井和正氏・石森正太郎氏原作の漫画「幻魔大戦」を角川が映画化。
監督はりんたろう氏で、大友克洋氏のアニメーションへの足掛かりでもあり、マッドハウス初期の作品でもある一大プロジェクトだ。
そして、音楽監督にはなんとEL&Pのキース・エマーソンが抜擢。
作曲は「銀河鉄道999」の青木望氏との共作で半分ほど担当している。
本作はキースによるシンセサイザーと青木氏による情感あるオーケストラが入り乱れ、人によっては食い合わせが悪く聞こえるほど方向性の違うものとなってしまっている。
キースのシンセ・プログレは今聞けば「なんてゲームっぽいんだろう」とも思えるほどで(当たり前だが)、それと青木氏のストレートなポップス・オーケストラが交互に襲い来るのは実に奇怪。
この時代におけるサントラとしては一種ゲテモノのような部分も感じられ、同じ角川映画である「カムイの剣」や「AKIRA」の音作りの黎明ではないかと思える。
しかしキースはこれ以前に既に映画劇判業界に進出しており、実は意外なことではない。
それにキース演奏と映画「汚れた英雄」のローズマリー・バトラーによる主題歌も人気で、全体通してライトで聴き易い方のプログレであることも伺える。
シンセ使い自体もこれといってエグイ鳴らし方はしてないどころか、チープですらあるので、身構えずにキースに入れるし、言うほど青木氏のオケを邪魔してはいない。
むしろ混沌極まる「幻魔大戦」においてはこのくらいが丁度いいとすら感じさせる。
注意すべき点は「キースによる映画音楽」という点に徹しすぎている部分が否めず、「キースファン」以外へのシンセの衝撃は思ったより少なくなりそう、というのがある。
また、演奏に参加している鼓童の太鼓もほんの一部であり、大した使い方もされていない。
そして何よりCD化が遅れたこと、そしてマスタリングの失敗だ。音量の小ささ、音圧の弱さが顕著で、最初のトラックなど最初の30秒が聞こえない程。
この時代のCDにはありがちなことではあるものの、大音量での迫力があれば、また違った奇怪さがこのアルバムから滲み出たのかもしれない。
だが、ヴィンテージな価値を持つこの時期のアニメサントラの中でも、特に異彩を放つネームバリューを持つ一作であり、それに値する興味深さを持つ。
アニメサウンドトラック史において回避することを許されない一品に間違いないだろう。
監督はりんたろう氏で、大友克洋氏のアニメーションへの足掛かりでもあり、マッドハウス初期の作品でもある一大プロジェクトだ。
そして、音楽監督にはなんとEL&Pのキース・エマーソンが抜擢。
作曲は「銀河鉄道999」の青木望氏との共作で半分ほど担当している。
本作はキースによるシンセサイザーと青木氏による情感あるオーケストラが入り乱れ、人によっては食い合わせが悪く聞こえるほど方向性の違うものとなってしまっている。
キースのシンセ・プログレは今聞けば「なんてゲームっぽいんだろう」とも思えるほどで(当たり前だが)、それと青木氏のストレートなポップス・オーケストラが交互に襲い来るのは実に奇怪。
この時代におけるサントラとしては一種ゲテモノのような部分も感じられ、同じ角川映画である「カムイの剣」や「AKIRA」の音作りの黎明ではないかと思える。
しかしキースはこれ以前に既に映画劇判業界に進出しており、実は意外なことではない。
それにキース演奏と映画「汚れた英雄」のローズマリー・バトラーによる主題歌も人気で、全体通してライトで聴き易い方のプログレであることも伺える。
シンセ使い自体もこれといってエグイ鳴らし方はしてないどころか、チープですらあるので、身構えずにキースに入れるし、言うほど青木氏のオケを邪魔してはいない。
むしろ混沌極まる「幻魔大戦」においてはこのくらいが丁度いいとすら感じさせる。
注意すべき点は「キースによる映画音楽」という点に徹しすぎている部分が否めず、「キースファン」以外へのシンセの衝撃は思ったより少なくなりそう、というのがある。
また、演奏に参加している鼓童の太鼓もほんの一部であり、大した使い方もされていない。
そして何よりCD化が遅れたこと、そしてマスタリングの失敗だ。音量の小ささ、音圧の弱さが顕著で、最初のトラックなど最初の30秒が聞こえない程。
この時代のCDにはありがちなことではあるものの、大音量での迫力があれば、また違った奇怪さがこのアルバムから滲み出たのかもしれない。
だが、ヴィンテージな価値を持つこの時期のアニメサントラの中でも、特に異彩を放つネームバリューを持つ一作であり、それに値する興味深さを持つ。
アニメサウンドトラック史において回避することを許されない一品に間違いないだろう。