TVアニメ『ラブライブ!』オリジナルサウンドトラック Notes of school idol days

TVアニメ『ラブライブ!』オリジナルサウンドトラック Notes of school idol days

オススメ度 ★★★★★

発売:2013年4月10日 収録時間:142分 定価:3500円 レーベル:ランティス



「シスプリ」公野櫻子原案のメディアミックス、「ラブライブ!」。
プリティーリズムのスタッフを引き連れたサンライズでのアニメ版のサントラが今作。
担当する藤澤慶昌氏はソロ劇伴は初となる。
アコースティック中心にバラエティに富んだ2013年冬期を代表する傑作サントラ。


N0.Disc 1 曲名時間作曲編曲作詞
1始まりの朝(メインテーマ)[LM01]1:56藤澤慶昌
2(絶望)[LM05]1:46
3僕らは今のなかで(TVサイズ)1:32森慎太郎畑亜貴μ’s
4ルンルン↑どんより↓[LM06]1:39藤澤慶昌
5ゆったりお昼休み[LM17]2:03
6ん???[LM24]1:44
7過ぎ去りし日々[LM09]1:57
8朝練[LM18]2:25
9Private Wars3:26板垣祐介畑亜貴A-RISE(桜川めぐ、松永真穂、大橋歩夕)
10理事長への談判[LM12]2:28藤澤慶昌
11愛してるばんざーい!(Prepro Piano Mix)1:51山田高弘酒井陽一畑亜貴西木野真姫(Pile)
12幼き日の夕陽[LM13]2:55藤澤慶昌
13ススメ→トゥモロウ(TVサイズ)2:03河田貴央畑亜貴高坂穂乃果(新田恵海)、南ことり(内田彩)、
園田海未(三森すずこ)
14前回のラブライブ![LM15]0:31藤澤慶昌
15チグハグ[LM16]1:50
16気まずい空気[LM26]1:43
17作戦会議[LM07]2:04
18チェイス[LM33]2:17
19きらめき[ED Arrange]1:45高田暁藤澤慶昌
20憂いの夕暮れ[LM03]2:41藤澤慶昌
21桜並木の通学路[LM10]2:02
22真剣な眼差し[LM27]2:07
23START:DASH!!(Prepro Piano Mix)1:52佐々木裕酒井陽一畑亜貴西木野真姫(Pile)
24きっと青春が聞こえる(TVサイズ・ことほのうみ)1:40高田暁畑亜貴高坂穂乃果(新田恵海)、南ことり(内田彩)、
園田海未(三森すずこ)
25トホホ…[LM20]2:26藤澤慶昌
26友情[LM21]2:25
27作戦開始[LM22]2:10
28誰もいない[LM23]2:41
29悲しみの夜[LM04]3:04
30START:DASH!!(TVサイズ)2:33佐々木裕畑亜貴高坂穂乃果(新田恵海)、南ことり(内田彩)、
園田海未(三森すずこ)
31軽やかな昼下がり[LM02]2:51藤澤慶昌
32花陽の決意[LM25]3:00
33楽しい部活[LM28]1:42
34きっと青春が聞こえる(TVサイズ・まきりんぱな)1:44高田暁畑亜貴星空凛(飯田里穂)、西木野真姫(Pile)、
小泉花陽(久保ユリカ)
N0.Disc 2 曲名時間作曲編曲作詞
1不審者、にこ[LM29]2:08藤澤慶昌
2>ω</[LM08]1:44
3説明しましょう![LM30]1:45
4強き者[LM14]1:49
5にこの過去[LM31]2:39
6きっと青春が聞こえる(TVサイズ・にこソロ)1:39高田暁畑亜貴矢澤にこ(徳井青空)
7これからのSomeday(TVサイズ)1:42yozuca*lotta高坂穂乃果(新田恵海)、南ことり(内田彩)、
園田海未(三森すずこ)、星空凛(飯田里穂)、
西木野真姫(Pile)、小泉花陽(久保ユリカ)、
矢澤にこ(徳井青空)
8きっと青春が聞こえる
(TVサイズ・にこりんぱなまきことほのうみ)
1:40高田暁
9ラブライブ!開催!![LM37]2:06藤澤慶昌
10亜里沙[LM32]2:09
11きっと青春が聞こえる(TVサイズ・えりのぞ)1:40高田暁畑亜貴絢瀬絵里(南條愛乃)、東條希(楠田亜衣奈)
12明日の勝利のために[LM35]1:44藤澤慶昌
13絵里のやりたいこと[LM41]2:30
14μ’sのはじまり[LM36]2:01
15僕らのLIVE 君とのLIFE(TVサイズ)2:27山田高弘高田暁畑亜貴μ’s
16メイド喫茶[LM45]1:45藤澤慶昌
17ミナリンスキー[LM40]1:59
18大切なもの[LM01 TypeB]2:22
19Wonder zone(TVサイズ)1:58佐々倉有吾畑亜貴μ’s
20きっと青春が聞こえる(TVサイズ・ことりソロ)1:40高田暁南ことり(内田彩)
21アブないMermaid festa[LM38]2:03藤澤慶昌
22ドタバタコメディ[LM34]2:18
23逆境からのスタート[LM44]2:18
24No brand girls(TVサイズ)1:39河田貴央畑亜貴μ’s
25嵐の予感[LM42]1:43藤澤慶昌
26未練[LM19]2:16
27はなればなれ[LM43]3:08
28きっと青春が聞こえる(TVサイズ・穂乃果ソロ)1:40高田暁畑亜貴高坂穂乃果(新田恵海)
29新しい場所へ[OP Arrange]3:01藤澤慶昌
30アキバ探訪[LM39]2:01森慎太郎藤澤慶昌
31アキバの日常[LM11]1:59藤澤慶昌
32Dance! Dance! Dance![LM46]1:34
33START:DASH!!(TVサイズ)3:04佐々木裕畑亜貴μ’s
34きっと青春が聞こえる(TVサイズ)1:45高田暁
 電撃G’s magazine、サンライズ、ランティスによう合同企画である「ラブライブ!」。
 2013年冬、プリティーリズムのライブ演出を担当する京極尚彦氏を監督に、サンライズ第8スタジオがアニメ化。
 音響監督も担当作品のサントラハズレなしと(筆者が)噂する長崎行男氏で、これまたプリティーリズム。

 音楽の担当は藤澤慶昌氏。ユニット名義で「電波女と青春男」の劇伴をやっていたが、ソロでは初の抜擢。
 ちなみに「電波女」の劇伴ユニット「Franz Maxwell I」は藤澤慶昌氏、前山田健一氏、板垣祐介氏の3人構成。
 その内板垣祐介氏は今作で劇中アイドルユニット・A-RISEによる「Private Wars」を作曲している。

 音楽内容はとても素直な、アコースティックを中心にしたバラエティに富んだ構成。
 成長、スポ根的な内容とこの爽やかさの連動は「カレイドスター」を彷彿とさせる。
 バンドサウンドやジャズ、フュージョンでノったり茶化したりもするのが「カレイド」との違いか。
 バラエティタイプのサントラとしては、一曲一曲がそれぞれ非常に高品質で、捨て曲が少ない。
 実質初音楽担当であることを考えると、この素直な完成度こそ藤澤氏の作風と捉えるのが正しいかもしれない。
 この多様さや曲構成の勢いはいわゆる「劇伴っぽさ」を醸し出してしまっているが、それが決して悪い方向だけに転がっていないのが今作の名盤たる所以である。
 「逆境からのスタート[LM44]」のような決め曲が生まれるようなら、もうそれは傑作でいいと思うのだ。

 特徴的なのは、1クールのアニメとはいえ、ワンオフのBGMがかなり多いこと。
 曲順構成もおおよそ作中で使われた順番だが、重要なシーンの曲は殆ど専用のものだ。
 「過ぎ去りし日々[LM09]」「花陽の決意[LM25]」「絵里のやりたいこと[LM41]」など、タイトルだけでシーンが分かるものも。
 ワンオフの曲は汎用と聴き比べてもかなり力が入ってることが分かり、汎用曲に引けを取らないほど耳残りするのである。
 この構成を取るからには、おそらく未収録音源も無いのではないかと思われる。

 楽器もフルアコースティックというわけではなくサンプリングもかなり聞こえてくる。
 そう考えると決して大盤振る舞いされた豪華さというわけでもなく、節約もされた良い塩梅の音楽であることが伺える。
 こういった、資本との兼ね合いがされた音楽で傑作が生まれるのは、アニメ劇伴の面白い所だなと思えるところ。

 ボーカル曲に関しては、ほとんどがテレビサイズのため、ボーカルを目当てに、というのはおすすめできない。
 しかし劇中での西木野真姫による「START:DASH!!」「愛してるばんざーい!」のデモトラックや、A-RISEの「Private Wars」なんかは今作でしか聞けない曲である。
 そう言う意味では決してボーカルの聴きどころがないわけではない。

 少し不満が出そうな所といえば、「きっと青春が聞こえる」ばかりでうんざりするかも、という点。
 だがボーカルの違いだけでもかなり変わって聞こえるだろうし、作中順の構成をとっている以上仕方ない部分。

 2013年冬期アニメの代表サントラ。藤澤慶昌氏の名前を世に知らしめた、素晴らしい一枚。
 イラストは室田雄平、デザインは仲井真由美(On Graphics)。

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