LUPIN the Third 峰不二子という女 original soundtrack

LUPIN the Third 峰不二子という女 original soundtrack

オススメ度 ★★★★★

発売:2012年12月19日 収録時間:65分 定価:2940円 レーベル:日本コロムビア



久しぶりのTVシリーズ「ルパン」となった「峰不二子という女」。
音楽は山下毅雄氏でも大野雄二氏でもなく、菊池成孔氏が新たなる「ルパン」像が形成。
渡辺信一郎プロデュースもついにここまで来るかという程鮮烈なアバンギャルドさである。
2012年を代表するサントラの一枚。


N0.曲名時間作曲編曲作詞
1聖痕1:16菊池成孔
2新・嵐が丘1:29菊池成孔菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
Feat.橋本一子
3峰不二子という女-11:03
4絶望と享楽1:56
5誘惑1:18
6潜行1:14
7ルパン三世という男-12:37
8石川五エ門という男-10:10
9斬鉄の剣-10:35
10忘却0:44
11フロイライン・オイレ1-儀式4:16
12症例I-錯乱0:59
13次元大介という男-10:20
14インディゴ・ブルー11:01
15歌劇「トスカ」第一幕より
「悲しみに暮れて知らせに来たのに」
2:35Giacomo Puccini菊池成孔
16快楽原理1:00菊池成孔
17フロイライン・オイレ2-喪失0:54
18次元大介という男-20:13
19峰不二子という女-20:32
20症例II-解離1:31
21上空20000フィートのラテン5:38
22泥棒の定理1:52
23見世物小屋の女2:22
24美少年オスカー1:02Johann Sebastian Bach菊池成孔
25フロイライン・オイレ3-呪縛0:33菊池成孔
26ルパン三世という男-21:32
27エレジー11:15
28歌劇「トスカ」第二幕よりアリア
「歌に生き、恋に生き」
3:07Giacomo Puccini菊池成孔
29症例III-境界3:04菊池成孔
30ヒプノティック・ビート1:05
31石川五エ門という男-20:10
32斬鉄の剣-20:34
33ルパン三世という男-32:03
34虚偽記憶1:11
35オブセッション0:42
36梟男0:55
37グラウコス・パーク1:19
38不二子の館2:06
39スティグマ1:23
40幻影1:14
41インディゴ・ブルー21:20
42エレジー22:45
43Duty Friend(tv size)1:22NIKIE中島ノブユキNIKIE
 27年ぶりの「ルパン」テレビシリーズとなった「LUPIN the Third 峰不二子という女」。
 「ミチコとハッチン」の山本紗代監督に、「あの花」などで人気が爆発した岡田磨里氏脚本で不二子を描くまさに「女流ルパン」だ。
 山本監督といえば、「ミチコ」でも音楽Pを担当していたのが「カウボーイビバップ」の渡辺信一郎氏。
 今回も氏が音楽Pを担当しており、「ビバップ」「坂道のアポロン」から続くナベシンジャズ三部作とも言える。

 ルパンの音楽といえばヤマタケこと山下毅雄氏と、邦ジャズの巨頭である大野雄二氏。
 本作でそのビッグネームの後継を背負った上で、全く新しい「ルパン」を生み出したのが菊池成孔氏である。
 フュージョン方面や多少現代ジャズミュージシャンに詳しければ菊池氏は有名人だろう。
 元々映画音楽などには携わっていたが、アニメ劇判は今作が初めてとなる。

 ナベシンジャズシリーズの流れを見ると、本作の鮮烈さは納得できる。
 ストレートなビッグバンドジャズを突き詰めた「ビバップ」に、ピアノとドラムのコンボで正統派を決めた「アポロン」。
 そして奇しくも原作及び第一シリーズの時期に当たる70年前後の雰囲気なアバンギャルドさを本作は醸し出す。
 この異質な音楽こそスピンオフである今作で必要な鮮烈さであり、アニメが初めての菊池氏にしか出来ないことだった。

 視聴者の誰もが度肝を抜かされたOP曲「新・嵐が丘」が何よりの証明だろう。
 ペペ・トルメント・アスカラールは菊池氏主催のグループの一つで、「嵐が丘」は持ち曲の一つだ。
 それを「不二子」用にアレンジしている訳だが、その際に上に乗ったのが、恩師である橋本一子氏の語りである。
 橋本一子氏といえばこれまた強烈なフュージョンをお見舞いしてくれる作家。
 「ラーゼフォン」「コードギアス 亡国のアキト」の劇判も担当した。
 ウィスパーボイスが非常に特徴的で声優経験もある。というか本作でもやる。
 菊池氏の強烈な作詞、橋本氏の強烈な語り、5拍子の強烈な弦楽、全てがいっそカオティックと言えるほどに交わる。
 語りにしようとの発案をしたのは例によって渡辺氏である。
 ちなみに、一分半のOPと同じ尺がフルサイズとなる。語りなしのフルは菊池氏のアルバムで。

 キャラクター・テーマを中心とした構成や曲の時間はどこか旧ルパンを思わせる。
 アドリブ満載の「峰不二子という女」「ルパン三世という男」などは非常に特徴的で、後者の「ルパァン!」シャウトは実にたまらない。
 大野ルパン的に邦楽を使う「石川五エ門という男」は、そこに更にジャズを強く混ぜるのが大野氏との違いだ。
 三味線とピアノのフュージョンもまた新しいルパンの風景の一つに他ならない。

 新鋭作家による全く新しいルパン像を形成した傑作フリージャズ・アルバム。
 渡辺信一郎氏によるタイトルセンスも光り、2012年を代表する一枚に仕上がった。
 ブックレットには村尾泰雄氏による解説。デザインは関口修男(プラグイングラフィック)。
 女性的で生々しい臭いを纏った新ルパン音楽、是非とも楽しんでほしい。

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