オーバーマン キングゲイナー ORIGINAL SOUNDTRACK 2 「BANZAI!」

オーバーマン キングゲイナー ORIGINAL SOUNDTRACK 2 「BANZAI!」

オススメ度 ★★★★★

発売:2003年3月21日 収録時間:62分 定価:3045円 レーベル:ビクターエンタテインメント



富野監督がWOWOWに送り出した熱いエクソダス「キングゲイナー」サントラ第二弾。
勿論、音楽は田中公平氏が引き続き担当する。
相変わらずの北欧っぽさを中心にした無国籍感とロボアニメ音楽の融合は1枚目と変わらない。
終盤の重要な音楽が多いので、心情描写やドラマを盛り上げる曲が多い。


No.曲名時間作・編曲作詞
1デビルズ・アイシング2:14田中公平井荻麟西野薫
2姫さまのピンクのスリッパ1:47
3パワー・マッスル1,2,31:39
4地平震えた1:37
5オーバーマン・フィールド1:31
6ツンドラを辞めて2:46
7形になりきらないもの2:03
8シンシアの背骨1:42
9知らない母の顔1:56
10ともかくもともかく1:45
11ヤーパンは進む1:42
12オーバースキルを胸に1:30
13オーバースキル・スパーク1:26
14アナの足あと1:23
15ツンドラの鼓動1:55
16太古のブリュンヒルデ1:36
17ふたつの拳1:34
18重いオーロラ2:30
19ミイヤのサンドイッチ1:50
20アーリィー・ミイヤー・シティ1:55
21ひたすらクールに1:36
22キングゲイナーの臍(へそ)0:10
23アーリィー・パワー1:38
24だから行け!走れ!1:33
25化身である以上に1:43
26降臨するもの2:14
27胸を開いて1:55
28少年の跳躍1:38
29氷の上でおやすみなさい6:26井荻麟国分友里恵
30デビルズ・アイシング2:12Maria Napolano
31キングゲイナー・オーバー!(Instrumental)4:55
 富野由悠季監督アニメ「オーバーマン キングゲイナー」のサウンドトラック第二弾。
田中公平氏による王道少年漫画ベースのロボアニメサウンドは2枚目でも健在。
 
 前作でもかなりはっちゃけたボーカル曲が散見された「キングゲイナー」だが、今作のボーカル曲も要注目。
 まず2バージョン収録されている「デビルズ・アイシング」である。
 国内ソプラノ歌手である西野薫氏と、詳細不明の(誰か教えてください!)ソプラノ歌手Maria Napolanoの二人がそれぞれを歌唱。
 本編で使用されたのは西野氏歌唱バージョンであり、Napolano版はプロトタイプかと思われる。歌詞は多国籍由来の造語。
 基本的に「キングゲイナー」の音楽は「極寒の大地」と「人間の熱量」が軸になっているが、こと「デビルズ・アイシング」はタイトル通り「寒さ」を象徴する曲である。
 人間賛歌の真逆を征くキングゲイナーのテーマを強く表現する名曲。
 
 また、大団円を演出した国分友里恵氏の「氷の上でおやすみなさい」も田中氏らしい穏やかな一曲。
 国分友里恵氏といえば「レジェンズ」の名曲「空色の指先」も歌唱しており、その透明感ある声は折り紙付き。
 静かな母性をゆったりと感じさせてくれる曲調と監督作詞による世代観・生死観が雪解けの大地を思わせ、短い時間ながらも「キングゲイナー」を人間賛歌の作品として協調して完結させた。
 
 インストに関してはメインになる曲を集中させていたのだろうか、前作よりも汎用的で華々しい曲は少な目。
 しかしアイキャッチを長く彩る「アナの足あと」や、冒頭から流れることが多い「ヤーパンは進む」など印象的な曲も多い。
 エピソードのクライマックスに頻繁に使われるカタルシス満載の「だから行け!走れ!」も名曲だ。
 また、最終話でこれに燃えさせられた人も多いであろう「少年の跳躍」。曲名が全てを物語っており、富野作品ではかなり珍しい、主題歌のメロを使用するキメ音楽である。
 キメ音楽がキまっているだけで、作品自体の評価もグイッと上がるのである。
 そして富野音楽ではさらに珍しい、主題歌インストを聞いてクライマックスシーンを脳内リフレインしよう。
 
 奥ゆかしくて飽きない良いアルバム。聞けば聞くほど「この曲のこの部分が良い」という箇所がどんどん見つかる。
 摩訶不思議なテンションと世界観のジャケットだが、これもまたキンゲ。
 愛さずにはいられないこのアルバム二枚である。ゼロ年代前半田中公平サントラのベストバウトです(細かい)。

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