「パーフェクト・ブルー」 オリジナル・サウンドトラック
「パーフェクト・ブルー」 オリジナル・サウンドトラック
オススメ度 ★★★★★
発売:1998年2月18日 収録時間:48分 定価:2854円 レーベル:アイノクス
98年公開の、今敏氏の初監督作品「パーフェクトブルー」のサントラ。
アイドルと芸能業界を舞台にしたサイコスリラー映画で、以降の今監督作品に通じる部分も多々。
90年代アイドルソングの再現と、極端なまでにテンションの変わるホラー音楽が同居する。
48分と短いながらも、作品性とBGM完成度とアルバム完成度の見える良作。
N0. | 曲名 | 時間 | 作曲 | 編曲 | 作詞 | 歌 |
1 | 愛の天使 | 4:20 | 幾見雅博 | 今井希子 |
MISA、古川恵実子、清水美恵
| |
2 | 一人でも平気 | 4:39 | 三井誠 | 幾見雅博 | 六ッ見純代 |
古川恵実子、清水美恵
|
3 | 未麻のテーマ | 5:48 | 幾見雅博 | |||
4 | 悪夢 | 5:23 | ||||
5 | バーチャ未麻 | 4:53 | ||||
6 | 内田のテーマ | 4:20 | ||||
7 | 想い出に抱かれて今は | 5:08 | This Time | 幾見雅博 | This Time | MISA |
8 | 悪夢(KAMINARIヴァージョン) | 5:53 | 幾見雅博 | |||
9 | バーチャ未麻(VOICEヴァージョン) | 4:39 | ||||
10 | SEASON | 3:40 | PIPELINE PROJECT | 小竹正人 | M-VOICE |
故・今敏監督のアニメ初監督作品で、98年に公開された竹内義和原作の「パーフェクトブルー」。
いくつかの要素を満たせば改変しても良しとのお達しで、竹内義和作品ではなく完全に今監督の作品として生まれ変わっている。
解離性同一性障害を使った虚構と現実の交わりは、以降の今監督作品にも通ずる重要なテーマである。
音楽担当は幾見雅博氏。あまり情報のない御仁で、演奏メンバーや一部作曲編曲のみばかり出てくる。
今作はアイドルがモチーフとして選ばれているため、インストだけでなくアイドルソングが鍵。
幾見氏はED以外のボーカル曲には全て手を入れており、その指向性を定めている。
以降の今監督作品でかの平沢進氏が選ばれるように、本作の様相もまさにカオスである。
アルバムとして一貫されているのは歌とインストの凄まじい落差で、正に「虚構と現実」を音楽的に分割したようなアルバム。
ボーカルは、正に90年代のアイドルソングをオマージュし、再現したノリの良いシャープな歌が多い。
歌詞も基本的にはラブソングで、恋する歌か別れてる歌ばかりだ。
懐かしさを覚える人も多々いるであろう、時代を切り取ったボーカル群である。
対して幾見氏がぶっ放すインストが凄い。アニメのホラー音楽でも屈指の完成度だと思える。
静・動、声楽、電子音、ビート、エレキギターと、近代的な音を交えた無機質な恐怖を与えてくる。
このサイケデリックな音がホラーになっているのが、時代性を扱う作品の音楽としてまた機能している。
前述のとおり、ホラー音楽とボーカルとの落差がすさまじく、「内田のテーマ」や「バーチャ未麻(VOICEヴァージョン)」は夜に聞くのが憚られる力の入りようだ。
これら全く別ベクトルの2つを同じ作曲家がまとめる事こそ、「虚構と現実の混濁」の表現なのかもしれない。
48分とアニメ映画にしても短めのアルバムだが、映画と同一テーマを持つアルバムとして完成している。
こういった形で今敏監督のライフワークテーマ「虚構と現実」は表現出来るのかと深読みしてしまうほどだ。
また一部の声楽はどこか「AKIRA」のそれを感じさせるので、ある種のオマージュなのかもしれない。
非常に挑戦的で面白いアルバムだが、現在プレミアが付いてしまっている。
どこかで見かけたらすぐ回収!貴重な良盤を皆の手で守りましょう。
いくつかの要素を満たせば改変しても良しとのお達しで、竹内義和作品ではなく完全に今監督の作品として生まれ変わっている。
解離性同一性障害を使った虚構と現実の交わりは、以降の今監督作品にも通ずる重要なテーマである。
音楽担当は幾見雅博氏。あまり情報のない御仁で、演奏メンバーや一部作曲編曲のみばかり出てくる。
今作はアイドルがモチーフとして選ばれているため、インストだけでなくアイドルソングが鍵。
幾見氏はED以外のボーカル曲には全て手を入れており、その指向性を定めている。
以降の今監督作品でかの平沢進氏が選ばれるように、本作の様相もまさにカオスである。
アルバムとして一貫されているのは歌とインストの凄まじい落差で、正に「虚構と現実」を音楽的に分割したようなアルバム。
ボーカルは、正に90年代のアイドルソングをオマージュし、再現したノリの良いシャープな歌が多い。
歌詞も基本的にはラブソングで、恋する歌か別れてる歌ばかりだ。
懐かしさを覚える人も多々いるであろう、時代を切り取ったボーカル群である。
対して幾見氏がぶっ放すインストが凄い。アニメのホラー音楽でも屈指の完成度だと思える。
静・動、声楽、電子音、ビート、エレキギターと、近代的な音を交えた無機質な恐怖を与えてくる。
このサイケデリックな音がホラーになっているのが、時代性を扱う作品の音楽としてまた機能している。
前述のとおり、ホラー音楽とボーカルとの落差がすさまじく、「内田のテーマ」や「バーチャ未麻(VOICEヴァージョン)」は夜に聞くのが憚られる力の入りようだ。
これら全く別ベクトルの2つを同じ作曲家がまとめる事こそ、「虚構と現実の混濁」の表現なのかもしれない。
48分とアニメ映画にしても短めのアルバムだが、映画と同一テーマを持つアルバムとして完成している。
こういった形で今敏監督のライフワークテーマ「虚構と現実」は表現出来るのかと深読みしてしまうほどだ。
また一部の声楽はどこか「AKIRA」のそれを感じさせるので、ある種のオマージュなのかもしれない。
非常に挑戦的で面白いアルバムだが、現在プレミアが付いてしまっている。
どこかで見かけたらすぐ回収!貴重な良盤を皆の手で守りましょう。