八雲立つ OVA オリジナル・サウンドトラック

八雲立つ OVA オリジナル・サウンドトラック

オススメ度 ★★★★★

発売:1997年11月21日 収録時間:46分 定価:3000円 レーベル:バンダイ・ミュージックエンタテインメント



90年代伝奇少女漫画の雄、「八雲立つ」。
実は97年に上下巻のOVAが作られていた。
劇判は「車窓から」の溝口肇氏。
世にも珍しい溝口肇単独×ワルシャワ・フィルの組み合わせである。


No.曲名時間作曲編曲作詞
1八雲立つ~Main Theme~4:04溝口肇
2Requiem~一粒の麦~3:38
3風土記3:49
4星守り2:22
54:47
6闇己5:37
7Deep Blue2:59
8宇宙樹3:46
9うばたま2:33
10碧の歴史4:59
11はるかなる慟哭5:18濱田金吾須藤賢一田久保真見石塚早織
12Deep Blue~失われた時~2:51溝口肇
 花とゆめコミックス、樹なつみ氏作の伝奇漫画。
 第21回講談社漫画賞受賞作品であり、90年台伝奇少女漫画の筆頭格である。
 1997年に全2巻のOVA、1997年と1999年には計7枚のドラマCDも製作された、90年台特有の展開っぷりの作品である。

 本作はOVAのサントラにあたるが、これまたOVAバブル期のサントラらしさが満天。   
 担当は「世界の車窓から」「エスカフローネ」の溝口肇氏。
 そして演奏はワルシャワ・フィルハーモニック管弦楽団なのである。
 溝口×ワルシャワは、それこそ「エスカフローネ」を彷彿とさせる心情音楽が生み出されることを期待させるわけだが、今回は表現する心情音楽の正負が真逆だ。
 「八雲立つ~Main Theme」が冒頭から「このアルバムは辛気臭いです」ということをこれでもかとアピールしてくる。
 しかし、このようなゴリゴリの心情音楽を、大編成オケで、しかもメイン楽器がチェロ(溝口氏はチェリスト)というスタイルは、他ではほぼ見たことがないというのもあり、かなり聞き入ってしまう。

 伝奇音楽としてもやはり8~90年台少女漫画伝奇SFの雰囲気というのはやはり内面的な問題の解決が作品の根幹で、かつそのために大掛かりな世界観ロジックを使う傾向にあることを感じられる。
 この言いざまだけではただのセカイ系にしか聞こえないが、「ぼくの地球を守って」などにもみられる独特な内側への意識はかなり印象的で、本作もそれを大規模オーケストラで表現しようとしている。

 数曲は大編成海外オケを生かした派手な曲もあり、アルバムとして他のワルシャワサントラに見劣りしない面白さも持っている。
 60分にも満たないアルバムであるが、物足りなさを一切感じない情報量がある。
 OVA全盛期も末期だが、その湯水のような資金の片りんを感じさせる一枚。

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