残響のテロル オリジナル・サウンドトラック
残響のテロル オリジナル・サウンドトラック
オススメ度 ★★★★★
発売:2014年7月9日 収録時間:69分 定価:3240円 レーベル:アニプレックス
ノイタミナ枠で渡辺信一郎監督が描き出す青春と疾走「残響のテロル」。
音楽は渡辺信一郎監督とのコンビでお馴染み菅野よう子氏である。
菅野氏が今作に吹き込んだものは「冷たさ」。
放送開始と同時に発売するその気合を見よ!
No. | 曲名 | 時間 | 作・編曲 | 作詞 | 歌 |
1 | lolol | 1:39 | 菅野よう子 | ||
2 | von | 6:14 | Bragi Valdimar Skúlason | Arnór Dan | |
3 | ess | 3:36 | |||
4 | saga | 4:54 | |||
5 | fugl | 2:28 | |||
6 | hanna | 4:30 | 菅野よう子 | Hanna Berglind | |
7 | veat | 3:46 | |||
8 | lava | 4:51 | Christopher Chu | POP ETC | |
9 | walt | 3:14 | |||
10 | birden | 4:45 | Arnór Dan | ||
11 | Fa | 5:38 | |||
12 | nc17 | 4:43 | |||
13 | ís | 2:41 | Christopher Chu & Keisuke Tominaga | POP ETC | |
14 | 22 | 2:44 | Ryo Nagano | ||
15 | seele | 2:03 | |||
16 | lev low | 2:34 | |||
17 | ili lolol | 5:41 | |||
18 | bless | 3:11 | Arnór Dan |
ノイタミナ枠の正しい使い方。渡辺信一郎監督が贈る「太陽を盗んだ男」。それが「残響のテロル」。
ノイタミナ枠であることを思うと今作は「東のエデン」の系譜である。しかし「東のエデン」では世界は変えられなかった。そういう時代になった。
「残響のテロル」は、ならばこそ今世界と闘い変えるにはどうすればいいか、その挑戦である。
或いはその変えたいと願う者は何者なのか、という推察でもある。
音楽は菅野よう子氏。「マクロスプラス」「カウボーイビバップ」「坂道のアポロン」と渡辺信一郎監督とのコンビが長い。
アイスランド録音、イギリス・ハンプシャーでミックス、アメリカ・NYでマスタリングし 放送開始とほぼ同時に一枚目のサントラを発売するという自信満々のアルバムである。
菅野氏は本作について語る時に「北っぽさ」という言葉を常に持ち出す。「体感温度の低さ」がテロルの音楽という事らしい。
「低温」「北っぽさ」「冬」「雪」。これこそが「残響のテロル」の音楽インスピレーションという訳だ。
曲の良さや効力が散らばりやすい菅野サントラの特徴を完璧に扱う渡辺監督は、ある2曲を印象的に使っていたが、まずその一曲が「lolol」。西川進氏による暴力的なギターを幾度となく回想シーンで流してきた。 これがあらすじや上辺での「残響のテロル」の印象「冷たさと暴力」である。フルverである「ili lolol」では印象が変わるが。
「ギターで世界を壊すつもりだった」というコメントの通りの強烈さであるものの、そこはかとなく丸さもあるのが菅野氏らしい。
もう一曲は「walt」。こちらはこのアニメの「潜り込んで知れる魅力」ではないかと思う。
変拍子のピアノが単なる哀切だけでなく青春の疾走を思わせる。この若さの描写こそがこのアニメに唯一潜む清涼感だ。
して本作を紐解きには、「低温」「北っぽさ」「冬」「雪」というワードを改めて思い出すと一歩進む事ができる。
菅野氏が同じインスピレーションを用いた作品が一つあるはずだ。「WOLF’S RAIN」である。
同じ冷たさがアルバムを跋扈する作品であるが、それでも決定的に違う。具体的にはオケ(ワルシャワ・フィル)の排他等であるが、それ以上にやはり「自然や野生の存在感」がある。
最終的な「残響のテロル」の戦いの場は東京都心であるのと対照的に、「WOLF’S RAIN」は雪原を多く舞台にする。何より「現代の十代」と「狼」という大きな主観の違いがこの差を生む。
包容力ある「WOLF’S RAIN」の音楽に対して、「残響のテロル」の緊張感はかなり閉塞的だ。
しかしそれでも同じものをイメージした結果は「ís」を聴けばなんとなく理解できると思われる。
菅野よう子サントラを代表するには少々キャッチ―さが足りないが、そんな事を意に介させない力強いアルバム。
このようなサイトを見ずとも本作が気になっている人間は即刻聞いているであろうが、そうでないなら聞いておこう。
ブックレットの形状など、装丁もかなり凝ったものになっているのでDLよりもCDがオススメである。
ブックレットには音楽Pである富永恵介氏による菅野氏のコメントを引用しながらの解説あり。デザインは草野剛氏。
ノイタミナ枠であることを思うと今作は「東のエデン」の系譜である。しかし「東のエデン」では世界は変えられなかった。そういう時代になった。
「残響のテロル」は、ならばこそ今世界と闘い変えるにはどうすればいいか、その挑戦である。
或いはその変えたいと願う者は何者なのか、という推察でもある。
音楽は菅野よう子氏。「マクロスプラス」「カウボーイビバップ」「坂道のアポロン」と渡辺信一郎監督とのコンビが長い。
アイスランド録音、イギリス・ハンプシャーでミックス、アメリカ・NYでマスタリングし 放送開始とほぼ同時に一枚目のサントラを発売するという自信満々のアルバムである。
菅野氏は本作について語る時に「北っぽさ」という言葉を常に持ち出す。「体感温度の低さ」がテロルの音楽という事らしい。
「低温」「北っぽさ」「冬」「雪」。これこそが「残響のテロル」の音楽インスピレーションという訳だ。
曲の良さや効力が散らばりやすい菅野サントラの特徴を完璧に扱う渡辺監督は、ある2曲を印象的に使っていたが、まずその一曲が「lolol」。西川進氏による暴力的なギターを幾度となく回想シーンで流してきた。 これがあらすじや上辺での「残響のテロル」の印象「冷たさと暴力」である。フルverである「ili lolol」では印象が変わるが。
「ギターで世界を壊すつもりだった」というコメントの通りの強烈さであるものの、そこはかとなく丸さもあるのが菅野氏らしい。
もう一曲は「walt」。こちらはこのアニメの「潜り込んで知れる魅力」ではないかと思う。
変拍子のピアノが単なる哀切だけでなく青春の疾走を思わせる。この若さの描写こそがこのアニメに唯一潜む清涼感だ。
して本作を紐解きには、「低温」「北っぽさ」「冬」「雪」というワードを改めて思い出すと一歩進む事ができる。
菅野氏が同じインスピレーションを用いた作品が一つあるはずだ。「WOLF’S RAIN」である。
同じ冷たさがアルバムを跋扈する作品であるが、それでも決定的に違う。具体的にはオケ(ワルシャワ・フィル)の排他等であるが、それ以上にやはり「自然や野生の存在感」がある。
最終的な「残響のテロル」の戦いの場は東京都心であるのと対照的に、「WOLF’S RAIN」は雪原を多く舞台にする。何より「現代の十代」と「狼」という大きな主観の違いがこの差を生む。
包容力ある「WOLF’S RAIN」の音楽に対して、「残響のテロル」の緊張感はかなり閉塞的だ。
しかしそれでも同じものをイメージした結果は「ís」を聴けばなんとなく理解できると思われる。
菅野よう子サントラを代表するには少々キャッチ―さが足りないが、そんな事を意に介させない力強いアルバム。
このようなサイトを見ずとも本作が気になっている人間は即刻聞いているであろうが、そうでないなら聞いておこう。
ブックレットの形状など、装丁もかなり凝ったものになっているのでDLよりもCDがオススメである。
ブックレットには音楽Pである富永恵介氏による菅野氏のコメントを引用しながらの解説あり。デザインは草野剛氏。