Symphonic Suite AKIRA
Symphonic Suite AKIRA
オススメ度 ★★★★★
発売:1988年10月21日(1994年10月21日年再販) 収録時間:69分 定価:2345円 レーベル:ビクターエンタテインメント
山城祥二率いる芸能山城組による、アニメ映画「AKIRA」のサウンドトラック。
日本アニメ史に名を刻んだ本作は、サントラも唯一無二の一枚であった。
ケチャ、囃子、能楽、声明、ブルガリアン、読経など、およそ一纏めにする発想の出来ない「声」のバリエーションが重なり合っている。
「アニメにはどのようなBGMだって付けられる」と感じさせてくれる作品。
No. | 曲名 | 時間 | 作・編曲 |
1 | KANEDA | 3:11 | 山城祥二 |
2 | BATTLE AGAINST CROWN | 3:37 | |
3 | WINDS OVER THE NEO-TOKYO | 2:48 | |
4 | TETSUO | 10:19 | |
5 | DOLLS’POLYPHONY | 2:55 | |
6 | SHOHMYOH | 10:11 | |
7 | MUTATION | 4:50 | |
8 | EXODUS FROM THE UNDERGROUND FORTRESS | 3:19 | |
9 | ILLUSION | 13:57 | |
10 | REQUIEM | 14:25 |
大友克洋氏原作の、世界的な人気を誇る10億円予算のアニメ映画「AKIRA」。
そのサントラであるSymphonic Suite AKIRAは、管理人の主観では未だにアニメ劇判の最高峰である。
様々な種類の「声楽」と、ガムラン、ジュゴクなどの伝統楽器を使い、ただ「無国籍」と言うだけでは括れないサウンドに仕上げている。
アニメ映画音楽の流れとしては「HARMAGEDON 幻魔大戦」や「カムイの剣」などの系譜の延長にあるように思われるが、明らかに一線を画している。
山城氏は世界各地でのフィールドワークによって様々なジャンルの音楽を取り入れている。
まず、1曲目の「KANEDA」であるが、ケチャをベースとした疾走感あるOPナンバー。
男声合唱による青森ねぶた祭の掛け声のようにして、「金田」「鉄男」などの作中の単語の叫びが響きわたる。確実に金田バイクが脳裏に走り出す。
ケチャをはじめ民族音楽は当時の日本国内での流行の兆しがあり、サンスクリット語での詠唱、多重読経などを混ぜ込みアジアンでありながらも無国籍。
そもそも芸能山城組自身がそういった民族音楽を国内に持ち込む立場でもあったようである。
14分超の終曲「REQUIEM」は「KANEDA」以上に印象的である。
タイトル通り、混声合唱によるレクイエムからこの曲は始まる。そしてサンスクリット語の男声コーラスから、ジュゴクの音にシフトして、1曲目「KANEDA」が再現されて、カタルシスが弾ける。
「眠れ、アキラ、眠れ」という言葉とともに、この曲、もとい「Symphonic Suite AKIRA」、「AKIRA」が終わっていく。
そもそも原作者・大友克洋氏は以前より「輪廻交響楽」を聞いており、金田たちの群像やAKIRAにおける出来事それぞれを一つの「祭」として捉えてもらい、劇伴を発注したという(納期はかなり短かったようだが)。
そして、「REQUEM」という対局的なタイプの曲をEDに据えるというメリハリの付け方をしたとのこと。
結果、アルバムの傾向や曲調などにかなりアーティスティックなプライドも強く含まれる。そこが鼻についてしまう人は少なくはないだろう。
「変わった音楽」「アーティスト志向のマイノリティなノリ」というのに強い抵抗がない限りは色褪せない名盤である。
相当に年季の入った作品ではあれど、中古価格なども高騰している訳ではない。芸能山城組の入門盤としても良質のものであるだろう。
ただし、2018年現在はDVD版やハイレゾ音源盤も発売され、本CDをあえて手に入れるというのは若干疑問がある。
さらに「AKIRA Original Motion Picture Soundtrack」というセリフ入りの短いサントラも存在するので注意されたし。
そのサントラであるSymphonic Suite AKIRAは、管理人の主観では未だにアニメ劇判の最高峰である。
様々な種類の「声楽」と、ガムラン、ジュゴクなどの伝統楽器を使い、ただ「無国籍」と言うだけでは括れないサウンドに仕上げている。
アニメ映画音楽の流れとしては「HARMAGEDON 幻魔大戦」や「カムイの剣」などの系譜の延長にあるように思われるが、明らかに一線を画している。
山城氏は世界各地でのフィールドワークによって様々なジャンルの音楽を取り入れている。
まず、1曲目の「KANEDA」であるが、ケチャをベースとした疾走感あるOPナンバー。
男声合唱による青森ねぶた祭の掛け声のようにして、「金田」「鉄男」などの作中の単語の叫びが響きわたる。確実に金田バイクが脳裏に走り出す。
ケチャをはじめ民族音楽は当時の日本国内での流行の兆しがあり、サンスクリット語での詠唱、多重読経などを混ぜ込みアジアンでありながらも無国籍。
そもそも芸能山城組自身がそういった民族音楽を国内に持ち込む立場でもあったようである。
14分超の終曲「REQUIEM」は「KANEDA」以上に印象的である。
タイトル通り、混声合唱によるレクイエムからこの曲は始まる。そしてサンスクリット語の男声コーラスから、ジュゴクの音にシフトして、1曲目「KANEDA」が再現されて、カタルシスが弾ける。
「眠れ、アキラ、眠れ」という言葉とともに、この曲、もとい「Symphonic Suite AKIRA」、「AKIRA」が終わっていく。
そもそも原作者・大友克洋氏は以前より「輪廻交響楽」を聞いており、金田たちの群像やAKIRAにおける出来事それぞれを一つの「祭」として捉えてもらい、劇伴を発注したという(納期はかなり短かったようだが)。
そして、「REQUEM」という対局的なタイプの曲をEDに据えるというメリハリの付け方をしたとのこと。
結果、アルバムの傾向や曲調などにかなりアーティスティックなプライドも強く含まれる。そこが鼻についてしまう人は少なくはないだろう。
「変わった音楽」「アーティスト志向のマイノリティなノリ」というのに強い抵抗がない限りは色褪せない名盤である。
相当に年季の入った作品ではあれど、中古価格なども高騰している訳ではない。芸能山城組の入門盤としても良質のものであるだろう。
ただし、2018年現在はDVD版やハイレゾ音源盤も発売され、本CDをあえて手に入れるというのは若干疑問がある。
さらに「AKIRA Original Motion Picture Soundtrack」というセリフ入りの短いサントラも存在するので注意されたし。