フラクタル オリジナル・サウンドトラック
フラクタル オリジナル・サウンドトラック
オススメ度 ★★★★★
発売:2011年4月27日 収録時間:79分 定価:2500円 レーベル:ERJ
ヤマカンこと山本寛監督が満を持して送るファンタジーアニメ「フラクタル」。
ジブリへの憧憬満天の世界観も評判はかなり悪く、散々な結果に。
ではその音楽も酷いのか、と言われればとんでもない、かなり力が入っている。
アニメ音楽初担当である新鋭・鹿野草平氏による無国籍音楽がここに。
N0. | 曲名 | 時間 | 作曲 | 編曲 | 作詞 | 歌 |
1 | フラクタル | 4:49 | 鹿野草平 | |||
2 | ハリネズミ | 4:55 | AZUMA HITOMI | AZUMAYA | AZUMA HITOMI | |
3 | この荒涼たる世の中で | 6:52 | 鹿野草平 | THOMAS MOORE | Noriko Lewis | |
4 | ネッサのワルツ | 4:04 | ||||
5 | ネッサは好きのことがすき | 2:27 | ||||
6 | ネッサは嫌いのことがきらい | 3:06 | ||||
7 | 昼の星 | 4:44 | 神前暁 | 岡田麿里 | AZUMA HITOMI | |
8 | いっときの安息 | 1:40 | 鹿野草平 | |||
9 | むらまつりの音 | 1:41 | ||||
10 | こぜりあい、おおさわぎ | 2:23 | ||||
11 | 里山の光景 | 3:22 | ||||
12 | 僧院の祝詞 | 3:49 | ||||
13 | ディアスのプレリュード | 2:43 | ||||
14 | ネッサの暴走 | 3:07 | ||||
15 | 日々の糧のみのための労働と苦役から | 6:25 | 鹿野草平(英訳:shoko) | 名倉亜矢子 | ||
16 | グラニッツの活動日誌 | 2:31 | ||||
17 | グラニッツの陰謀 | 1:58 | ||||
18 | グラニッツの闘争 | 2:42 | ||||
19 | 人柱の巫女 | 4:30 | ||||
20 | 未来への旅路 | 7:00 | ||||
21 | サリーガーデン | 3:19 | アイルランド民謡 | AZUMAYA | AZUMA HITOMI |
ノイタミナ枠にて「ハルヒ」シリーズ演出の山本寛監督が送り出した折る地なるアニメ「フラクタル」。
「この作品が失敗すれば引退も辞さない」という言葉と共に挑んだ意欲作だが、結果は散々。
作品外の部分でも余波があるほど大バッシングを受けることとなっている。
しかし音楽もそう叩かれるべきものかというとそうではない。
音楽担当は初アニメの鹿野草平氏。
自らの作品が「もってけ☆セーラー服」にインスピレーションを受けた、と公言したあたりで山本監督とのパイプが生まれていったのだと思われる。
作風はオーケストラ編成や声楽、ブズーキなどの民俗楽器での無国籍ファンタジー系音楽。
作品全体としてジブリへの憧憬が根底に存在するアニメなので、それに影響されてのものだろう。
ジブリへの憧憬といえば「亡念のザムド」もそうだったが、根本的に憧憬対象が違っているのが面白い。
「ザムド」は恐らくジブリアニメの「死生観」をオマージュしているが、「フラクタル」は「ラピュタ」などの「冒険心」への憧憬に他ならない。
これが決定的な違いとなる。それはメインテーマとも言える「未来への旅路」が分かりやすく表現している。
ここで問題になるのは、「冒険心」は音楽の特徴として充分たり得るのか、ということ。
鹿野氏は「劇判というよりも自分の芸術作品」となったとも言っている。
それに引っ張られてか、今作の音楽はクオリティこそ高く仕上がっているものの、「フラクタルのメインテーマ」と言えるような音楽には意外と乏しく感じられる。
そういった分かりやすさだと、同じ無国籍音楽でも「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」などの方が成功していると言えるだろう。
ただし、決して本作における鹿野氏の仕事は素晴らしいものであることには間違いはない。
その後「吹奏楽のための『フラクタル組曲』第一楽章」を作るほど気合いの入ったものだ。
ブックレットにはイラスト数点とメロの譜例集、そして鹿野氏のコメントが掲載。
イラストは左氏。デザインは内古閑智之氏(CHProduction)。
この手のファンタジー音楽が好きな人ならば決して買っても損はしないはず。
「この作品が失敗すれば引退も辞さない」という言葉と共に挑んだ意欲作だが、結果は散々。
作品外の部分でも余波があるほど大バッシングを受けることとなっている。
しかし音楽もそう叩かれるべきものかというとそうではない。
音楽担当は初アニメの鹿野草平氏。
自らの作品が「もってけ☆セーラー服」にインスピレーションを受けた、と公言したあたりで山本監督とのパイプが生まれていったのだと思われる。
作風はオーケストラ編成や声楽、ブズーキなどの民俗楽器での無国籍ファンタジー系音楽。
作品全体としてジブリへの憧憬が根底に存在するアニメなので、それに影響されてのものだろう。
ジブリへの憧憬といえば「亡念のザムド」もそうだったが、根本的に憧憬対象が違っているのが面白い。
「ザムド」は恐らくジブリアニメの「死生観」をオマージュしているが、「フラクタル」は「ラピュタ」などの「冒険心」への憧憬に他ならない。
これが決定的な違いとなる。それはメインテーマとも言える「未来への旅路」が分かりやすく表現している。
ここで問題になるのは、「冒険心」は音楽の特徴として充分たり得るのか、ということ。
鹿野氏は「劇判というよりも自分の芸術作品」となったとも言っている。
それに引っ張られてか、今作の音楽はクオリティこそ高く仕上がっているものの、「フラクタルのメインテーマ」と言えるような音楽には意外と乏しく感じられる。
そういった分かりやすさだと、同じ無国籍音楽でも「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」などの方が成功していると言えるだろう。
ただし、決して本作における鹿野氏の仕事は素晴らしいものであることには間違いはない。
その後「吹奏楽のための『フラクタル組曲』第一楽章」を作るほど気合いの入ったものだ。
ブックレットにはイラスト数点とメロの譜例集、そして鹿野氏のコメントが掲載。
イラストは左氏。デザインは内古閑智之氏(CHProduction)。
この手のファンタジー音楽が好きな人ならば決して買っても損はしないはず。