花の詩女 ゴティックメード オリジナル・サウンドトラック
花の詩女 ゴティックメード オリジナル・サウンドトラック
オススメ度 ★★★★★
発売:2012年10月31日 収録時間:53分 定価:2940円 レーベル:日本コロムビア
発表から公開まで6年の月日を要したアニメ映画「ゴティックメード」。
待たせることに定評のある永野護氏だけに慣れているのだが……。
音楽には長岡成貢氏。「エルハザード2」の縁だという。
民族音楽とオケ、そしてテクノがハッキリ分かれ織り成す映画音楽。
N0. | 曲名 | 時間 | 作・編曲 | 作詩・歌 |
1 | ベリンのテーマ | 4:08 | 長岡成貢 | |
2 | 詩女の旅立ち | 2:07 | ||
3 | セイラーソング | 1:59 | ||
4 | 歴史の闇~ウォーキャスター | 1:27 | ||
5 | 湖水地方 | 2:11 | ||
6 | トレーサー | 3:20 | ||
7 | 暗雲~太陽風の気まぐれ | 1:23 | ||
8 | 種の理由 | 3:13 | ||
9 | ゴティックメード V1 | 3:54 | ||
10 | ゴティックメード V2 | 4:27 | ||
11 | GTM・カイゼリン | 6:14 | ||
12 | 巨大な陰謀 | 4:46 | ||
13 | 都にて… | 1:11 | ||
14 | ベリンの数え歌 | 3:34 | 川村万梨阿 | |
15 | 茜の大地 | 4:44 | ||
16 | 空の皇子 花の詩女 | 4:55 |
2006年、永野護氏は我々に言った。「映画を作る」と。我々は慣れていた。「当分出ないな」と。ついでに「あ、FSSも止まるな」と……。
結果、公開まで6年かかった。むしろ無事公開されたことを喜ぶべきであろう。
その後2013年11月現在、ソフト化予定なし。解像度や音源を家庭で再現、再生できないからだろう。
つまり今、動的なメディアにおいて「ゴティックメード」を追体験する術は、サントラしかないのだ。
音楽は長岡成貢氏。永野氏が妻、川村氏が出演歌唱してた縁で「神秘の世界エルハザード2」で見かけ、長岡氏を気に入った永野氏は企画時点で長岡氏を使うことを決めていたという。
本作の音楽は単純明快。キャラと世界観に民俗音楽、ロボットにテクノ。
合間にオケ。民俗音楽演奏には中東の楽器・サントゥールを使用しており、前半の音楽構成はほぼこのサントゥールに支えられているといっていい。 この音色がまたどこか旅の寂しさを想起させるのが選択に苦労しただけあって見事。
また、「テクノ」には中々の苦労があったようで、永野氏と長岡氏の「テクノ」感がぶつかりあった。
その結果、「ゴティックメード V1」を聞けば分かるがどこか80年代を思わせる、「FSS」「FFTC」イメージアルバムのような永野氏好みの四つ打ちが出来上がった。
ここは好みが分かれるところだが、ストリングスやサントゥールに対する作り分けとしては充分。
というかよく見れば「V1」のエレキベース演奏が永野護氏本人ではないか。考えて損したわ。
ハープの重視も散見されるが、「FSS」映画の劇伴担当である朝川朋之氏の起用は偶然だという。
まあ、グランドハープを日本で収録するなら高確率で朝川氏が出てきてしまうのだが……。
勿論その演奏は素晴らしく、「GTM」のオケを支える一本の柱にほかならない。
例によって妻・川村氏をボーカルに据えた歌曲達は長岡氏の尽力もあり悔しいが見事。
これを含め50分という短めの尺の中に要素が詰まっただけあって、その味は超濃厚に決まった良盤である。
ただの追体験のための映画音楽というだけでなく、一枚聴き終われる良くまとまったアルバムになった。
軽く贔屓めいた部分もあるが、ここに残された数少ない「GTM」の欠片を大事にしたい。
ブックレットには長岡氏と川村氏の対談、そして永野氏のコメントと各曲解説が掲載。 ジャケットデザインは朝倉哲也(デザインクレスト)。
結果、公開まで6年かかった。むしろ無事公開されたことを喜ぶべきであろう。
その後2013年11月現在、ソフト化予定なし。解像度や音源を家庭で再現、再生できないからだろう。
つまり今、動的なメディアにおいて「ゴティックメード」を追体験する術は、サントラしかないのだ。
音楽は長岡成貢氏。永野氏が妻、川村氏が出演歌唱してた縁で「神秘の世界エルハザード2」で見かけ、長岡氏を気に入った永野氏は企画時点で長岡氏を使うことを決めていたという。
本作の音楽は単純明快。キャラと世界観に民俗音楽、ロボットにテクノ。
合間にオケ。民俗音楽演奏には中東の楽器・サントゥールを使用しており、前半の音楽構成はほぼこのサントゥールに支えられているといっていい。 この音色がまたどこか旅の寂しさを想起させるのが選択に苦労しただけあって見事。
また、「テクノ」には中々の苦労があったようで、永野氏と長岡氏の「テクノ」感がぶつかりあった。
その結果、「ゴティックメード V1」を聞けば分かるがどこか80年代を思わせる、「FSS」「FFTC」イメージアルバムのような永野氏好みの四つ打ちが出来上がった。
ここは好みが分かれるところだが、ストリングスやサントゥールに対する作り分けとしては充分。
というかよく見れば「V1」のエレキベース演奏が永野護氏本人ではないか。考えて損したわ。
ハープの重視も散見されるが、「FSS」映画の劇伴担当である朝川朋之氏の起用は偶然だという。
まあ、グランドハープを日本で収録するなら高確率で朝川氏が出てきてしまうのだが……。
勿論その演奏は素晴らしく、「GTM」のオケを支える一本の柱にほかならない。
例によって妻・川村氏をボーカルに据えた歌曲達は長岡氏の尽力もあり悔しいが見事。
これを含め50分という短めの尺の中に要素が詰まっただけあって、その味は超濃厚に決まった良盤である。
ただの追体験のための映画音楽というだけでなく、一枚聴き終われる良くまとまったアルバムになった。
軽く贔屓めいた部分もあるが、ここに残された数少ない「GTM」の欠片を大事にしたい。
ブックレットには長岡氏と川村氏の対談、そして永野氏のコメントと各曲解説が掲載。 ジャケットデザインは朝倉哲也(デザインクレスト)。