かぐや姫の物語 サウンドトラック

かぐや姫の物語 サウンドトラック

オススメ度 ★★★★☆

発売:2013年11月20日 収録時間:53分 定価:3000円 レーベル:徳間ジャパンコミュニケーションズ



本来宮崎駿監督作品「風立ちぬ」と同時上映予定だったという、
十数年ぶりの高畑勲監督作品「かぐや姫の物語」。
高畑監督は2018年に亡くなったため、事実上の遺作となった。
「風立ちぬ」との対照的な位置関係が印象的な大作。


o.曲名時間作・編曲作詞
1はじまり0:53久石譲
2光り0:22
3小さき姫1:15
4生きる喜び1:01
5芽生え2:19
6タケノコ2:06
7生命0:59
8山里1:53
90:34
10旅立ち1:19
11秋の実り0:39
12なよたけ1:22
13手習い0:47
14生命の庭0:25
151:22
16絶望1:07
17春のめぐり1:03
18美しき琴の調べ0:34
19春のワルツ2:02
20里への想い1:36
21高貴なお方の狂騒曲1:29
22真心1:28
23蜩の夜1:12
24月の不思議0:48
25悲しみ1:00
26運命1:17
27月の都0:28
28帰郷1:19
29飛翔4:26
30天人の音楽Ⅰ2:28
31別離1:07
32天人の音楽Ⅱ0:57
331:49
34いのちの記憶5:42二階堂和美
35琴の調べ0:57久石譲
36わらべ唄0:48高畑勲高畑勲、坂口理子
37天女の歌1:34
 「風立ちぬ」で長編アニメ監督として(いつも通り撤回したが)有終の美を飾った宮崎駿監督。
 彼と双璧を為しジブリを支えてきたのが高畑勲監督その人である。
 その最新作「かぐや姫の物語」は「となりの山田君」から数えてなんと14年ぶりの新作となる。
 音楽は宮崎監督作品でお馴染み久石譲氏だが、高畑監督とは意外にも初タッグ。
 「風立ちぬ」が(いつも通り撤回したが!!)最後の宮崎監督とのタッグとなり、今作が高畑監督との初タッグというのも感慨深い。
 
 今作における音楽性は明確に2パターンに分かれている。
 作品を俯瞰させるような、「日本昔話」的なメインフレーズを基盤とした和風なメロを交えた劇判と、キャラクターへの感情移入を目的としたドラマ性や作中タイミングを意識した映画的な管弦楽。
 「かぐや姫の物語」においては後者の存在こそが重要なパーソンであり、「竹取物語」との差を明確にするために必要不可欠なパターン分けと考えられる。
 
 高畑監督作品全体に言えることでもあるのだが、フィルムスコアリング的な側面が強すぎるきらいがある。
 「風立ちぬ」サントラにおいては宮崎監督があまりそこを目立たせない作風だったが、「かぐや姫の物語」の劇判的音楽はそれに比べると一曲の鮮烈さは重要視されていない。
 これは単純に監督二人の趣味・こだわりの差分と考えるのが自然なのだが、それも一因となって本来強みであって欲しい「キャラクターへの感情移入の為の音楽」が「昔話」的なフレーズに負けてしまい、「結局かぐや姫の物語の音楽ってなんだったっけ?」とふと感じてしまうことがある。
 聴き心地の良さこそいつもの安定感ある久石譲音楽に他ならないのだが、「風立ちぬ」が同年に公開されたことにより、その比較で差が浮き彫りになっている。
 
 地味に好評を多く見かけるが、個人的に「天人の音楽」に対しては批判的になってしまう。
 「ロックミュージシャン・久石譲の側面が顔を出した!」という点は確かに面白くあるのだが、たった一度の高畑監督とのコラボレーションで出す顔ではなかったのではないか、と思ってしまう。
 宮崎駿作品での力強さの方が、私があの場で求めているものだった。
 
 「サントラを持って追体験」するにしてもそれによって感慨を得る映画ではないように思えたので、本作は筆者の個人的嗜好とは若干掛け違えた一枚である。
 勿論「高畑監督と久石譲氏の合わさりがこうなる」と示されたというだけでも価値ある一枚ではある上に、その他の有象無象なサウンドトラックとは一線を画した完成度であることも確かではある。
 アートディレクションは小松季弘氏(情報堂)。デザインは川原樹芳氏、川原瑞樹氏(100KG)。

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