仙女奇想曲(カプリチオ) 「奇鋼仙女ロウラン」オリジナルサウンドトラック

仙女奇想曲(カプリチオ) 「奇鋼仙女ロウラン」オリジナルサウンドトラック

オススメ度 ★★★☆☆

発売:2003年3月5日 収録時間:60分 定価:1980円 レーベル:キングレコード



中華ファンタジーとロボットをかけあわせた平野俊弘監督作品「奇鋼仙女ロウラン」。
大変知名度の低いアニメで、同じ平野監督作品である「吸血鬼美夕」と同じように、
OP曲がインストゥルメンタルなのが印象的。
複数人体制の劇判で、中華要素とロボアニメ音楽を使い分けている。


No.曲名時間作曲編曲作詞
1いろは詩3:25野上朝生飯吉高鈴木利宗本宮麻衣香
2覚醒(Instrumental)2:37干川修一
3決断のとき2:22
4ASY2:12飯吉高
5富士轟発進1:33
6鋼仙出撃2:06
7光の少女0:30干川修一
8楼蘭1:30
9迷い2:11飯吉高
10悲しき運命1:42干川修一
11組曲~屍解仙女より~6:19
12奇鋼仙女出現1:20
13奇鋼仙女2:28
14奇鋼仙女の闘い1:26
15炎舞1:09
16化身2:07
17Theme Of Rouran~ロウランのテーマ~1:52
18懺悔2:05飯吉高
19その名は万華0:37
20万華1:51
21桃の誓い2:05干川修一
22愁い1:51飯吉高
23もう一人の仙女2:05
24哀しみ プッチーニ・オペラ・アリアより~氷のような姫君の心も~2:43Giacomo Puccini干川修一
25Requiem4:07干川修一
26Epquiem2:41野上朝生飯吉高
27いろは詩3:23鈴木利宗
 「吸血鬼美夕」の平野俊弘監督がいつの間にか作っていた趣味モチーフアニメ。
 それが中国ネタ=仙女ネタと軍事ロボットものをかけあわせたアニメ「奇鋼仙女ロウラン」である。
 いちアニメとしてもロボットアニメとしても非常に知名度が低い作品。

 
 音楽担当は複数人。しかもスタッフ表記が不明瞭。この一枚でピックアップされるのはテノール歌手の干川修一氏とトランペット奏者の飯吉高氏の二人である。
 
 中国モチーフが多いこともあって、OPやED、プッチーニ・アリアの編曲など、要所要所に二胡が存在感を放っている。
 しかし全体で見るとそういった金のかかりそうな音源の数は少なく、生音に対して多くはシンセオケで占められている。
 勢いはあって音源の資金力以上には聴けるアレンジに仕上がっている。要所の二胡が勢いを締めてくれるため構成としても悪くない。

 
 干川修一氏と飯吉高氏の二人の住み分けがどうなってるかは少し曖昧で、どちらかといえばメインを貼っているのは干川氏のような印象。
 干川氏や飯吉氏の作曲仕事を聴ける機会がかなり少ないので本作での仕事ぶりの判断しかできないが、中華モチーフとロボアニメ音楽というテーマに対してかなり真面目な作曲を行っているように聞こえる。
 ただし、スタッフ表記が混乱を招くのが大変よろしくない。
 WikiやEDロールでは「音楽:渡辺宙明、垣見嘉良」となっているが、まず宙明先生の音楽は「流星機ガクセイバー」の曲の流用である。もしかしたらガクセイバーの曲も以前の宙明先生の曲の流用かもしれない。
 そして垣見嘉良氏であるが、作曲担当のスタッフではないようだ。本アルバムのスタッフ記載によると、レコーディングプロデューサーとして垣見氏の名前がある。これを「音楽:」と記載するのは、干川氏と垣見氏に対して不義理にあたるのではないか…?という邪推をしてしまう。

 
 BGMはそこそこながら、OP、EDは非常にキャッチー。インストOPの二胡もさながら、2バージョンあるED曲は隠れた名曲だ。
 マイナーながら力が入っており、趣味感あるモチーフをそこそこ使いこなしているアルバム。スタッフ記載にいくらかの疑問があるのと、若干お金がないのが難点。
 ジャケットイラストは平野俊弘氏。デザインはshinichi TOMIKAWA、kinuyo KANEKO。

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