凪のあすから ORIGINAL SOUNDTRACK 1

凪のあすから ORIGINAL SOUNDTRACK 1

オススメ度 ★★★☆☆

発売:2014年4月23日 収録時間:76分 定価:3024円 レーベル:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン



P.A.WORKSが贈る例によってギスっとした青春アニメ「凪のあすから」。
前半1クールは正直辛い部分も多かったが後半から大化けした傑作である。
音楽は2008年以降楽曲提供が増え始めた出羽良彰氏。
ヒーリングアコースティックと哀切漂う劇伴的音楽を集めたコンピレーションアルバム。


N0.曲名時間作曲編曲作詞
1lull~そして僕らは~[TV Size]1:32中沢伴行中沢伴行、尾崎武士川田まみRay
2Blue Water2:28DEPAPEPE渡辺善太郎
3光のワルツ1:49Saigenji
4Stream2:16
5Silencio2:38
6Fonte2:51
7Navio2:50
8いたずらごっこ1:57出羽良彰
9波の綾2:30渡辺善太郎
10あまつかぜ2:23
11Mirage of the sea4:25出羽良彰
12月に磨く2:36渡辺善太郎
13確執2:28出羽良彰
14うろこ様2:20
15先人たち2:15
16どこまでも深く2:29渡辺善太郎
17できるかな1:31
18先島光2:33出羽良彰
19Cry for the moon2:59
20ロザ・ムーナ2:50渡辺善太郎
21海の涙1:58出羽良彰
22祈り2:41渡辺善太郎
23すりぬける心2:15
24ひとりぼっち2:16出羽良彰
25追放2:28
26冬の訪れ2:02
27Marine Snow2:25渡辺善太郎
28ぬくみ雪2:39出羽良彰
29伝説2:09
30おふねひきの唄4:55篠原まり
31アクアテラリウム[TV Size]1:33石川智晶MATERIAL WORLDやなぎなぎ
 P.A.WORKSが「若手主導の作品を」とブリキ氏のキャラ原案を推して繰り出したオリジナルアニメ「凪のあすから」。
 相変わらずなP.A.と岡田磨里脚本によるギスギスした青春と緻密な背景と世界観による御伽噺ワールドで攻める作品で、昼ドラの続く前半は正直辛いものの後半にまるっと印象が変わる稀有な構造の良作である。

 音楽プロデューサーはユニット・樹海のメンバーである出羽良彰氏。2008年あたりから楽曲提供が多くなり、ドラマ・アニメ劇伴も担当するようになった。氏の引き連れる複数の作家による共同劇伴となっている。
 このサントラ一枚目には概ねギスっとした前半1クール目のための音楽が集められている。
 本来はアンビエントメインの構成の予定だったそうだが恋愛用の心情音楽を中心にするようにしたとの事だが、割と情景音楽もある気がするのは気のせいではないはず。

 その代表は出だしのDEPAPEPEによる「Blue Water」。
 アコギユニットの彼らによる爽やかでキャッチーなこの曲は舞台の町を明らかにイメージしている。
 しかも本アルバムでも一番いい曲かもしれない。南米音楽なSaigenji氏の曲だと日常心情曲とも言えるのだが。
 樹海で繋がりのある渡辺善太郎氏はピアノを中心とした心情音楽。繊細で透明感がありはするが、割と普遍的。
 大事な心情音楽になってくると途端に特徴やキャッチーさを失うのが近作のウィークポイントである。
 そして出羽良彰氏自身が調整役のために劇伴記号的な曲ばかり担当してるのも痛い。
 決して悪いものではないのだが、CDを再生していて後半の曲が殆ど記憶に残らりづらい。

 また、「おふねひきの唄」は劇中の祭囃子である事と物語演出と兼ねられるようにしているが、かなり苦心のあとが目立つ。
「それでも世界は美しい」の挿入歌のような、ポップスが伝承歌になるような程の酷さにならないようにしているが、ポップス気味に聞こえてしまう祭囃子としての違和感は拭えていない。

 辛めの事を言ってはいるがサウンド自体は決して悪くない。劇伴としては申し分ないレベルである。
 しかしアルバムとしての強みが見出せないのは痛い。DEPAPEPE一曲目当てでのオススメはしづらい。
 楽曲クオリティは低くない、むしろ高いはずなのだが、やはり「見て音楽を気に入ったファン向け」のサウンドトラックである。
 ブックレットには出羽良彰氏のコメントあり。ジャケットイラストは高橋英樹氏。デザインは内古閑智之氏。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です