「SIMOUN(シムーン)」オリジナルサウンドトラック 1

「SIMOUN(シムーン)」オリジナルサウンドトラック 1

オススメ度 ★★★★★

発売:2006年6月21日 収録時間:52分 定価:3045円 レーベル:ビクターエンタテインメント



全員女性、という星を舞台にしたオリジナルアニメ「SIMOUN」。
音楽Pとの縁で、音楽担当に選ばれたのは佐橋俊彦氏。
オーケストレーションこそガンダムなどいつもの佐橋氏の側面が強いが、
タンゴとワルツという強烈な要素が今作の何よりの武器。


No.曲名時間作曲編曲作詞
1美しければそれでいい(TV size edit)1:33石川智晶西田マサラ石川智晶
2妖艶なる絆の響き2:25佐橋俊彦
3女性国家 第一楽章:旧人類1:48
4女性国家 第二楽章:男性社会の崩壊と排除1:51
5女性国家 第三楽章:新たな種の保存と変化1:40
6女性国家 第四楽章:女性国家確立1:49
7微かなる恋の心2:29
8旅立ちの予感2:18
9翼とツバサ2:31
10特別な未来の為に…2:21
11哀しみのシムーン・シヴュラ2:55
12そのままで…2:01
13泉の波動2:33
14約束1:36
15美しき巫女の涙1:41
16疑念と真実1:47
17黒い陰2:10
18大空のアウリーガ2:27
19慟哭コール・テンペスト2:30
20空中要塞2:43
21静かなる祈りの声2:27
22田園2:25
23空よ風よ輝きの大地よ2:52
24祈りの詩(TV size edit)1:37Takumi鈴木Daichi秀行ああsavage genius
 西村純二監督が贈る、全ての人が女性に生まれる星を舞台にしたアニメ「SIMOUN」。
 そうした世界観で繰り広げられるSF劇や恋愛・愛憎劇などは中々にショッキング。
 スタッフ側はあくまで「思春期の少女の物語」と言っているが、果たして……。

 
 ともかく。その音楽を生み出すのはベテラン・佐橋俊彦氏。
 ビクターエンタテインメントの野崎圭一氏との「ガンダムSEED」での縁での器用だ。
 佐橋俊彦氏といえばオケ以外にもシンセを乗せるオケや、幅広いジャンル扱いが魅力。
 本作でもクラシカルなオーケストラは暴れまわるが、何よりも目立つのはタンゴとワルツ。
 「女性のみ」の世界観であるが故に「性」を意識せざるを得ない本作において、メインテーマ「妖艶なる絆の響き」のエロティックな音作りはとても重要で、雰囲気の構築にも効果的だ。
 元々はボレロなども案にあったそうだが、タンゴによって今作は名盤たり得たと言っていい。
 予算的にもそこまで多くのタンゴ曲やフルオケが展開されるわけではないが、それが相まって演出的に効果が絞られ巧く機能している。

 
 面白いのは「大空のアウリーガ」。オーケストラでの戦闘曲だ。
 前半は「SEED」ばりのヒロイックなオケから入ってくるのだが、そうかと思えば後半は「妖艶なる絆の響き」のメロディが入ってくる。
 ロボ系オケからのタンゴ風メロディへのシフトはかなりトリッキーに耳に入り、いつもの戦闘曲だなーと思っていると「してやられたな」という気分になってしまう。

 
 佐橋氏は特有のシンセ使いに管弦を乗せた時にどうしても音が薄くなってしまうが、それが殆ど見られない本作のようなサントラは必ず名盤になる。
 氏の強い面が全面的に前に出てきてくれているというわけだ。
 ジャケットの、どうにもレズい雰囲気に気おくれしてしまう人も、サントラだけでもいいので聴いてみて欲しい。

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