邪悪宣言 装甲悪鬼村正 オリジナルサウンドトラック

オススメ度 ★★★★★

発売:2009年11月27日 収録時間:134分 定価:2940円 レーベル:GEORIDE



ニトロプラス創立10周年記念作品「装甲悪鬼村正」。
メモリアルの名に恥じない、プレイ時間40時間以上の超大作である。
ZIZZ STUDIOによるサウンドトラックも渾身の一策であり、
18禁ゲームの、という枕詞も不要な問答無用の良盤。


NoDisc 1 曲名時間作・編曲作詞
1MURAMASA game ver.1:26磯江俊道渡邊カズヒロ小野正利
2白銀昴星3:41神保伸太郎
3SHINING TRAPEZOHEDRON3:14筒井香織
4邪悪宣言3:16大山曜
5村正(矛)2:07筒井香織
6村正(盾)2:32
7森奥の風2:03立花泰彦
8贋作弓聖 ~序曲~0:25
9BLADE ARTS III3:03大山曜
10一ノ太刀3:02泉邦宏
11英雄襲来3:10加藤敏樹
12BLADE ARTS IV2:47筒井香織
13剣理殺人刀2:51大山曜
14剣理活人刀2:12泉邦宏
15凌辱4:00大山曜
16遠い心4:08加藤敏樹
17さまよえる鬼4:20
18獣の正義2:32立花泰彦
19屍肉を喰らって肥える蟲3:28
20夕闇の陽炎4:08大山曜
21六波羅1:59立花泰彦
22The Call game ver.1:38磯江俊道渡邊カズヒロYukky
23Fuel My Soul5:10村上正芳ワタナベカズヒロ
24Fuel My Soul off vocal ver.5:09
NoDisc 2 曲名時間作・編曲作詞
1疼(UZUKI) game ver.1:26榊原秀樹Ken1VERTUEUX
2帝国の影2:56磯江俊道
3古都2:40泉邦宏、立花泰彦
4小さな村2:58筒井香織
5山陰3:25加藤敏樹
6音速領域2:57磯江俊道
7秋空3:16神保伸太郎
8安息3:13立花泰彦
92:24
10輪舞3:32加藤敏樹
11冬空3:40神保伸太郎
12愁雲2:33立花泰彦
13望郷2:46大山曜
14伝承3:37泉邦宏
15凶兆2:49大山曜
16混迷2:58神保伸太郎
17暴虚3:22
18光の詩1:49江幡育子
19落葉4:44磯江俊道渡邊カズヒロいとうかなこ
20落葉 off vocal ver.4:42
 今や18禁ゲーム会社と認識されていないであろうゲーム会社「ニトロプラス」。
 創業10周年企画として打ち出された、総プレイ時間40時間を超える大作ADVである。
 剣士にして文字書きの奈良原一鉄氏渾身の剣客変身アクションは、18禁ゲーム史に燦然と輝く一作となった。

 ニトロプラス作品と共に歴史を歩み音楽と届けてきたのがZIZZ STUDIO。   
 奈良原氏の前作である「刃鳴散らす」のサントラの地続きになるような、邦楽器とロック、電子音楽をふんだんに混ぜ込んだBGMが出来上がっている。
 「刃鳴散らす」との繋がりを特に感じさせるのが「BLADE ARTS」シリーズ。「刃鳴散らす」ではⅠ、Ⅱが存在していたが、本作ではⅢ、Ⅳが登場。
 特に「BLADE ARTS Ⅲ」は「村正」を代表するバトル曲。大山曜氏のプログレテクノの音と和風の打撃音をベースに尺八が暴れる一曲で、プレイヤーの耳に最も長く残る故に力の入った1曲に仕上がった。
 邦楽器を使用した楽曲は磯江氏による尺八×クラブミュージックである「邪悪宣言」、尺八×疑似オーケストラによる実質「正宗」登場テーマと言える「英雄襲来」など事に欠かない。
 Disc1は基本的にそういった激しくニトロプラスらしい楽曲でまとまっている。

 Disc2には打って変わって静的な楽曲が多く収録されている。
 穏やかな笛と鼓の音が18禁ゲームとは思えない穏やかな時代劇テイストを醸し出す「古都」や「小さな村」、回想シーンや不穏なシーンを演出する曲など、捨て曲になりそうでならない味わい深い曲が多い。
 そうした流れを一気にまとめて終わらせてくれるのが名曲「落葉」である。
 いとうかなこ氏といえば空想科学ADVシリーズで聞けるようなアクティヴな曲が印象的だが、ニトロ作品で言うならば穏やかな曲の方が素敵な曲が多い感覚だ。
 「落葉」は劇中でも最高の瞬間に流れ出すので、感動も一入。アルバムとしての締めに相応しいバラードである。
 なお、グランドEDは荒々しい和風ロックの「Fuel My Soul」である模様。感動で終わる作品ではないから……。

 名曲も名曲なOP「MURAMASA」はサントラではOPサイズのみの収録。
 シングルが出ている曲なので当然といえば当然。その他挿入歌と共に、フルで聞きたければシングルも一緒にそろえよう。

 毎度ボリューミーかつ名曲ぞろいのZIZZ×ニトロプラスのサントラの、10年間の集大成と言える一作。
 マニアックなロック・テクノを繰り出してくれる彼らのアルバムでも珠玉の逸品である。
 18禁ゲームという肩書とは関係なく、磯江俊道氏や大山曜氏の名前が気になる人でも迷わずオススメできる。

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