SOUND OF 009 RE:CYBORG

SOUND OF 009 RE:CYBORG

オススメ度 ★★★★★

発売:2012年10月24日 収録時間:74分 定価:3086円 レーベル:バップ



石ノ森章太郎という漫画家が生んだ傑作の一つ、「サイボーグ009」。
神山健治監督とProduction.IGのもと、現代ナイズされてそれが蘇った。
音楽には川井憲次氏が起用され、より若々しい形の音楽を、というオーダーのもと、
エレキギターを中心に添えたオーケストレーションが展開する。


N0.曲名時間作・編曲
1声ありき3:06川井憲次
2MODE UP2:43
3SEARCH0:38
4MODE DOWN2:44
5AWAKING6:28
6SUSPECT3:00
7炎吹男2:03
8再会1:10
9ジェベジ・ハン3:03
10世界の基軸3:16
11WHO HEARS VOICES3:48
12FRIEND OR FOE8:28
13CAPITAL2:56
14WORLD END GARDEN7:08
15FIRE A GUN LOOSE OFF A SHELL3:17
16I HAVE GOD IN1:04
17友よ2:45
18COUNT DOWN-94:31
19FOR F…1:22
20Sacrifice3:25
21帰還1:47
22RE:CYBORG4:38
 石ノ森章太郎氏が生み出した傑作SFエージェント、「サイボーグ009」。
 神山健治監督の手によって、フル3DCGアニメ映画として蘇る。それが「009 RE:CYBORG」だ。
 結果として「石ノ森章太郎を愛しすぎた」結果、かなり人を選びかねない映画となってしまったが、それ故にこの映画に込められた情熱は目を引くものがあり、スタッフの「石ノ森愛」が感じられる。
 
 神山健治監督作品ということで、音楽は例によって川井憲次氏が担当する。
 本作でのオーダーは「若々しさ」。古臭くならないように、ということで川井氏が選んだのはエレキギター。少し安直すぎやしないかとも思うが、これで通用するのが”川井節”である。
 いつもの川井オーケストラを基調として、中心でギターが暴れるようなコンセプトで一枚がまとめられており、フットワークの軽い川井音楽としては「劇場版パトレイバー」を思い出される具合だ。押井守監督と組む時程落ち着きすぎず、軽くもなりすぎず、一本の映画音楽としての質が追求されており、7分越え8分越えのフィルムスコアリングと思われる曲でも飽きが来ない。

 ギターリフも「アキバレンジャー」と同時期であることを感じさせる川井氏らしい忙しなさで、テクニックというよりもメロディラインの聴きやすさで弾かれていて、ヒロイックさを助長できている。
 それを象徴するのがテーマ曲「RE:CYBORG」で、「ギュイイン!」というギターの入りから始まり、モンゴル系の発声も混じりつつ民族的でSFらしさを醸し出す「009」のテーマ曲としての感性を見せつけた。
 日常用のジャズもうまくアルバムに溶け込めており、耳休めにちょうどいい塩梅である。ちなみに、ギター演奏は川井氏自身のもの。

 「結局はいつもの川井憲次音楽でしょ?」と言われても反論しづらいが、「いつもの川井音楽で、映画音楽が一本完成している」ところこそ魅力ではある。

 近年の川井憲次音楽の中でも特に気に入っている一枚。筆者が石ノ森ファンなだけでもあるが。
 川井音楽の「手癖」を作品世界の力で昇華できている作品こそ傑作足り得るのだという確信を得た。
 ブックレットにはいつも通り川井憲次氏による文才溢れた回顧録が掲載。アートディレクションはウエオカマユミ氏。デザインは平山智佳氏。

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