黒執事 サウンドコンプリート Black Box

黒執事 サウンドコンプリート Black Box

オススメ度 ★★★★★

発売:2009年8月26日 収録時間:136分 定価:3990円 レーベル:アニプレックス



Gファンタジー連載の、枢やな氏の漫画原作のアニメ「黒執事」。
音楽には岩崎琢氏が抜擢され、かなり力が入ったアニメ化であることが伺える。
とにかく予想通りの音楽を作るのが嫌いな氏らしさが炸裂。
「黒執事」に合いながらもきちんと「1曲として完成し、定番ではない」曲を展開する。


No.曲名時間作・編曲作詞
1Nigram Clavem1:31岩崎琢小西香葉Suzi Kim
2Prologue0:10
3坊ちゃんに紅茶とスコーンを2:48
4Die Hasen!2:29かの香織
5La gardenia3:25かの香織小宮一浩
6執事たるもの2:37
7裏社会の秩序3:00
8The butler3:26
9Coffin man3:08
10The Dark Crow Smiles5:25Lotus Juice
11Ciel2:19
12Faint smile3:25
13Jazzin’2:36
14di’a’vertiment2:43
15Home Again3:32
16英国の闇2:50
17二度と戻らない大切な…3:01
18王手を2:47
19Wie schon!2:49かの香織笠原由里
20マダム・レッドの思い出に~1レディ・レッド2:42
212リコリスの色2:02
22a diabolic waltz3:11
23Intermission:Sebastian Michaelis Version0:09
No.曲名時間作・編曲作詞
1Intermission:Ciel Phantomhive Version0:11岩崎琢
2Si deus me relinquit6:56小西香葉Suzi Kim
3人形の館1:43
4リジー2:54
5The Stranger from India2:48
6ジョー・アーギャー2:48
7“神”に仕えし者3:10
8rudra2:41
9The right hand of God3:07
10small wild flower2:30
11Ich bin der Welt abhanden gekommen3:59
12Never More3:30
13誇り高き女王の狗2:59
14The Dark Crow Smiles[remix]4:03Lotus Juice
15Call thy name,”Stella Mystica”3:53かの香織伊集加代
16A Gleam in the distance5:11
No.曲名時間作曲編曲作詞
1モノクロのキス4:00Shinji西平彰マオシド
2I’m ALIVE!3:15TABOChris SatrianiBECCA、MeredithBRCCA
3Lacrimosa4:14梶浦由記Kalafina
4貴方の声が色褪せようとも、盟約の歌がその胸に届きますように。4:28岡部啓一菊池はなセバスチャン(小野大輔)
5月の雨5:10
 「月刊Gファンタジー連載、枢やな氏による漫画「黒執事」。
 悪魔でイケメン執事というオンナノコの理想の固まりみたいなそれをA1 Picturesと篠原俊哉監督でアニメ化。
 本作はかなり豪華な装丁のBOXで、ディスク3枚組。うち2枚がサントラで、ラスト1枚はOPEDソング集。

 
 音楽は岩崎琢氏。スタイリッシュな作風が多い氏であるが、本作は19世紀ヨーロッパが舞台。
 とにかく氏は一般的な予想通りのBGMが嫌いなようで、それが遺憾なく発揮されている。
 まず、「19世紀ヨーロッパ世界観だから、バロック・クラシックが似合う」というのをやらない。
 正確にいえば、素直にやらない。サックスソロでバロックをしたり、ジャズにチェンバロを入れたり。
 コメディ性もある作品だが、バカ正直にドタバタ音楽を作らない。
 より大袈裟によりおかしくするためにかの香織氏による「Die Hasen!(ウサギはどこ!)」のような曲を作る。
 それでも決して似合わない音楽にはならないのが氏の恐ろしいところで、プロコフィエフをヒントにした「a diabolic waltz」を中心に据えれば、「黒執事」の骨子となる。
 それ以外にも「魔笛」など、クラシックをエッセンスにはするが、安易な引用はしない。
 後に「C」でも共演する伊集加代氏による強烈なボーカルや後半の中東音楽に、ソプラノ、オーケストラ、Lotus氏によるラップ、セバスのテーマ「La gardenia」のテノールと、全体のダークな統一感を感じさせながらも実はベクトルにこだわらない音楽が徹底されている。
 そうした時、ダークファンタジー、悲哀、コメディ、それぞれが複雑に絡み合った、「黒執事」の不可思議な脚本が音楽とアンサンブルするのである。

 
 これを目当てに購入する人はさぞ多いことであろう「Gotchaman~In the name of Love」。ゴスペル的な「GATCHAMAN!」の叫びと、岩崎工氏によるラップからオケへの流れがとても美しい。この進行は「ヨルムンガンド」アール回の「The first step to escape from complex」にも良く似ている。
 注目なのは「Ziel der Hydra(ヒュドラの標的)」。女性ソプラノとクラブアレンジを合わせた曲だ。これは「グレンラガン」の決め曲「“Libera me”from hell」を思い出させる編曲となっている。
 9話にてカッツェの暗躍を演出した「カッツェのテーマ」たるこの曲によるその演出を、「意志あるスタッフによる奇跡」と岩崎氏が絶賛するほどの演出力を発揮したもの。
 そしてこれに限らず、「クラウズ」の音楽は奇跡的な威力を持つ曲がいくつもあり、デジタル、ラップ、オケなどを導入した岩崎氏の一時の総決算めいたものを感じた。

 
 本作は今野均ストリングスだが、同じく大手を率いる篠崎正嗣氏が二胡を担当しているのも面白い。
 ここまでやっておきながら未収録分がある気がしないでもないが、ここまで収録されればもう文句はない。
 ブックレットもごつく、岩崎氏と原作者・枢やな氏の互いへのインタビュー、そして篠原監督のコメントが掲載。
 発売が放送終了から少し経った後のものとはいえ、至れり尽くせりな一作である。
ここまでやって4000円を切るならばそりゃあ買うだろう。
 ジャケットイラストは原作者・枢やな氏。デザインは中川ユウヰチ氏(KINEMA MOON Graphics)。

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